オフィスの机の配置パターン10選! おしゃれにするコツも紹介
オフィスで机の配置を考えるとき「スペースが足りない」「配線が届かない」「通路が狭くて移動しにくい」といった悩みを抱える方は少なくありません。効率よく働ける環境を整えたい一方で、来客対応のしやすさや安全性、快適さも気になるポイントです。
そこで本記事では、オフィスの机の配置を検討する際に必要なことや、配置パターンをご紹介します。オフィス移転やレイアウト変更をご検討中の方は、ぜひ参考になさってください。
目次
オフィスの机の配置を考える際に必要なこと

まずはオフィスの机の配置を考える際に必要なことを、4つご紹介します。
寸法の把握
机の配置を考える上で、まず押さえるべきは寸法の基準です。一般的に通路幅は一人が通る場合は600mm以上、二人がすれ違う場合は1,200mm以上、メイン通路では1,200〜1,600mm程度が目安とされています。
机間の距離は700〜900mm程度を確保すると椅子の出し入れがしやすく、壁との間も600mm以上あると快適に動けます。机のサイズは標準で幅1,000〜1,200mm、奥行700mm程度ですが、設計職や大型モニターを使う職種ではさらに広いスペースが必要です。
また労働安全衛生規則では、1人当たり10㎡程度を目安とする規定があり、安全性を確保するためにも基準を踏まえることが大切です。さらに近年は車椅子の利用を考慮した通路設計も推奨されています。こうした寸法を守ることで、安全かつ快適な作業環境を整えられます。
配線計画
オフィスの机配置を成功させるには、配線計画も欠かせません。電話線やLANケーブル、電源コンセントの位置を考えずにレイアウトを組むと「ケーブルが届かない」「家具の下にコードが挟まる」といったトラブルが発生し、業務効率が低下します。
基本的に固定席では安定性を重視して有線接続を活用し、フリースペースではWi-Fiを組み合わせると柔軟性が高まります。
配線が煩雑になると見栄えや安全性も損なうため、床下配線やケーブルトレーを用いた整理が有効です。さらに大規模なレイアウト変更を行う場合は、専門業者に相談して電源容量やネットワーク設計を含めて検討することをおすすめします。
配線を整えることで、見た目の美しさと業務効率の両立が実現できます。
動線への配慮
効率的で安全なオフィスを実現するには、机の配置と合わせて動線設計を考えることが不可欠です。コピー機やプリンタなどの共用設備は、執務エリアからアクセスしやすい場所に配置し、出入口周辺には十分な広さを確保する必要があります。
避難経路を塞がないように設計することも法律上の義務であり、災害時の安全性に直結します。
さらに動線を工夫することで、部署を越えた自然なコミュニケーションが生まれることもあるでしょう。机のレイアウト例については後述しますが、例えばクロス型のレイアウトは社員同士のすれ違いを増やし、偶発的な交流を促進します。
安全性・効率性に加えて、交流も意識した動線設計が持続的に働きやすいオフィス作りにつながります。
セキュリティ対策
オフィスの机の配置やゾーニングを考える際には、セキュリティ対策も欠かせません。社員と来客が出入りすることを前提に、エリアごとにセキュリティレベルを設定することが重要です。
例えば執務エリアはICカードや入室記録管理ツール、防犯カメラを導入し、来客が自由に入れないように制御します。また役員室やサーバー室などは、さらに厳格な入退室管理を行うと安心です。
一方で、来客受付や会議室は利便性とのバランスが求められるため、受付からの動線をシンプルに設計すると良いでしょう。さらに災害時には、避難経路を確保しつつセキュリティを維持する必要があります。机やパーティションの配置によって動線が妨げられないように、セキュリティと安全性を両立した設計を心がけましょう。
オフィスの机の配置パターン

オフィスの机の配置には、いくつかの代表的なパターンがあります。次で具体的に解説します。
1.対向型レイアウト(島型)
日本のオフィスで一般的なのが「対向型(島型)レイアウト」です。机を向かい合わせに配置し、4〜6人程度の島を作るスタイルで、チーム内のコミュニケーションが取りやすいのが特徴です。
資料のやり取りがスムーズで、上司や同僚との相談もすぐに行えるため、人事・総務・経理などチームワークが重要な部署に適しています。面積効率が高く、配線もしやすい点もメリットです。
一方で周囲の話し声が気になって集中力を保ちにくいことや、他部署との交流が限定的になるという課題もあります。日本では戦後の高度経済成長期から「チーム一体で働く文化」が普及しましたが、近年ではパーティションを併用して集中できる環境を整える工夫も増えています。
2.背面型レイアウト
背面型レイアウトは、社員同士が背中合わせに座るスタイルです。正面に人の視線が入らないため集中しやすく、画面が覗かれにくいという安心感もあります。
さらに振り返ればすぐに顔を合わせられるため、短時間の相談や打ち合わせが可能で、個人作業とチーム作業を切り替えやすいのも特徴です。研究開発やクリエイティブ業務のように、集中と交流の両立が必要な職種に向いています。
背面の空いたスペースにテーブルを置けば、簡単なミーティングにも活用できる柔軟性があります。
しかし全体を見渡すのが難しく、管理者にとってはマネジメントがしにくい面もあります。また机を効率的に並べにくいため、スペース効率が低下しやすい点にも注意が必要です。メリットとデメリットを理解した上で導入を検討すると良いでしょう。
3.同向型レイアウト
同向型レイアウトは、全員が同じ方向を向いて座る配置で「スクール型」や「並列型」とも呼ばれます。視線が合わないため集中しやすく、業務フローも一方向に流れるので効率的です。
特にコールセンターやプログラマー、SEなどの定型業務やモニタリング業務が中心の部署に適しています。また管理者が最後尾に座れば全体を見渡しやすく、指示や教育が行いやすい点も特徴です。
一方で社員同士が自然に会話する機会が少なくなり、コミュニケーション不足に陥る可能性があります。さらに机を一列に並べるためスペース効率が低く、配線も複雑になりやすいのが課題です。
場合によっては監視的な雰囲気を感じさせることもあるため、心理的な配慮も必要です。集中や管理のしやすさを重視するなら有効ですが、運用を工夫することが欠かせません。
4.左右対向型レイアウト
左右対向型レイアウトは、列ごとに机の向きを互い違いにする配置です。対向島のように向き合わず、隣列は反転配置にします。視線がぶつかりにくく、パーソナルスペースを確保しやすいのが特徴です。
中央にロータイプの仕切りを設ければ、収納やサイドテーブルとしても機能します。席の背後を通らず各席にアクセスでき、通行時のストレスや画面の覗き見のリスクを下げることが可能です。
開発・設計などのクリエイティブな業務や、紙資料が多い部署の固定席、パーソナル重視の執務にも向いています。フリーアドレスやコワーキングでも応用が可能です。
注意点は一人当たりの専有面積が増えることと、配線が複雑になりやすいことです。また島を横断したコミュニケーションが減り、備品コストやマネジメントの難度も上がります。ローパーティションは座位で目線を切り、立位で見通せる高さが使いやすいです。床面の電源やLANは島の中心に集約し、ケーブルマネジメントで足元をすっきりさせましょう。
5.ブース型レイアウト
ブース型レイアウトは、正面や左右をパネルで囲って個別の作業環境を作る方式です。一体型の机 を用いる方法と、ローパーティションで囲う方法があります。
視線と音を遮りやすく、プライバシーの確保とセキュリティ対策に有効です。低めのパネルなら、座位では視線を遮りつつ、立位では全体を見渡せます。
クリエイティブ職や専門職や、機密情報を扱う部署、研究職の固定席などに適しています。フリーアドレスでも「集中エリア」として運用しやすいです。
一方で圧迫感や在席確認のしにくさ、パネルや施工にかかるコストが課題です。吸音性能やパネルの厚み・高さ、通気と採光、照明の当たり方まで計画しましょう。空調吹き出しの妨げ、清掃や避難誘導の動線にも配慮が必要です。空調・照明・清掃・避難の整合を取ることが、快適さと安全の両立につながります。
6.クロス型レイアウト
クロス型レイアウトは、縦横に交差する机配置で通路をジグザグに設計する方法です。動線が一方向に固まることを避け、部署を越えた偶発的な接点を生みやすいのが特徴です。
境界を視覚化しつつ、遊び心のある雰囲気を演出できます。島型の単調さを和らげ、離席時の軽い会話や情報交換を促します。中央にコラボレーションスペースやカフェポイントを置くのもよいでしょう。
ただしクロス型レイアウトは広い面積を要し、座席数の確保が難しくなることがあります。通路が遠回りになり、動線が非効率になる場合もあるでしょう。
来客動線との交差は避け、避難経路はできるだけ直線的になるように確保しましょう。交流促進と集中のバランス、安全性の確保を軸に、面積と目的に合うかを判断することが大切です。
7.ベンゼン型レイアウト
ベンゼン型レイアウトは、Y字形ユニットを2組合わせた六角形の島を基本とする配置です。島が増えると亀甲状に広がります。
中央に共有テーブルを置きやすく、グループ内の会話や資料共有がしやすい構成です。一人当たりの机上面積を広く取れ、図面や試作品、複数端末の併用にも向いています。
見た目の一体感が強く、プロジェクトチームの結束を演出できます。その反面、非常に広い面積が必要で、面積効率は高くありません。席数を増やしにくく、家具コストもかさみます。
図面上では、島の中心に電源とLANを集約し、島間通路の幅を十分に確保します。管理者や来客からの視認性、避難動線の抜けも意識しましょう。導入ハードルは高いため、面積と予算に余裕があり、共同作業の比率が高い職場での採用が現実的です。
8.ブーメラン型レイアウト
ブーメラン型レイアウトは、120度のテーブルやL字の机を対面で組み合わせ、亀甲状に並べる配置です。机上面積を広く確保でき、複数のモニターを自然な視線移動で扱えます。
隣席との距離感も程よく、集中と会話のバランスを取りやすいのが利点です。資料を広げる業務やマルチディスプレイが前提の職種、チームでのコミュニケーションを重視する環境に適しています。
一方で一人当たりの専有面積が大きいため、席数を確保しにくく、面積効率が悪いのが課題です。事前に配線から、足元のゆとり、島間の通路幅までを詰めておきましょう。
電源は島の中心か床下などに集約し、ケーブルトレーで整理します。導入するメリットは大きいものの、設備のコストと必要な面積を理解した上で採用の可否を判断してください。
9.フリーアドレス型レイアウト
フリーアドレスは、個人席を定めず空いている席を使う働き方です。長机や大テーブルを中心に、誰でも座れる前提で運用します。不在席を有効活用でき、部署を横断したコミュニケーションも生まれやすくなります。
席の稼働率が上がるため無駄がなくなり、賃料の低減にもつながる点もメリットです。外出や離席が多い営業や、企画・開発などの非定型な業務、モバイルパソコンで身軽に働ける職種に向きます。
一方で従業員の所在を把握しにくい他、荷物・書類のセキュリティが確保できないことが課題です。対策として、私物を保管するロッカーの設置や、座席の予約・在席可視化ツールの導入が有効でしょう。
10.ABW型レイアウト
ABW(Activity Based Working)は、仕事内容に合わせて最適な「場」を選ぶ設計思想です。集中ブースやカウンター席、コラボエリア、通話ブース、リラックス空間など、席種をあらかじめ用意します。
フリーアドレスと違うのは、オフィス内だけではなく在宅やサテライトも含めて選択肢とする点です。席種のバリエーションを重視し「場所×活動」の組み合わせで成果を高めます。
期待できる効果は、パフォーマンスと自律性の向上、知識共有の活性化、スペースと時間を有効活用できることです。課題はマネジメント方法や情報セキュリティ、所在の可視化、個人荷物の保管方法などが挙げられるでしょう。
【事務所移転.com】のオフィスの施工事例
ここでは、株式会社ブレインズ・ネットワークが運営する「事務所移転.com」が手掛けた3つの事例をご紹介します。
【品川区オフィスビル様】入居前構築工事
品川区オフィスビル様の事例です。「おしゃれなオフィスにしたい」とのご要望を受け、入居前の構築工事を行いました。工期は約1か月で、対象は約130坪・50名規模の執務スペースです。
天井を解体して黒に塗装し、壁には木目調クロス、床には木目の塩ビタイルを採用。シンプルながらも洗練された仕上がりを実現しました。天井裏の複雑に入り組んでいた配線はレースウェイを取り付けて整線し、見た目も機能面もすっきりと改善しています。
その他に行った施工内容は多岐にわたり、不要な什器の引き上げや引っ越し作業までトータルで対応いたしました。
詳しい情報はこちらをご確認ください。
【株式会社トーラス様】機能的で落ち着いた雰囲気のオフィス
株式会社トーラス様のご依頼により、フロア全体を対象としたオフィス工事を行った事例です。施工期間は約10日間と短期間ながら、造作壁の設置からクロス・床材の貼り替え、電源・電話・LANの敷設、さらに引っ越し対応まで幅広く実施しました。
「多数のホワイトボードを設置したい」とのご要望を受け、会議室や執務室の壁面にホワイトボードパネルを配置。打ち合わせや日常業務での利便性を高めています。
加えて一部の壁面にはアクセントクロスを採用し、エントランスの床には石床調の塩ビタイルを敷設。機能性とデザイン性を両立させながら、落ち着いた雰囲気の空間に仕上げました。
詳しい情報はこちらをご確認ください。
【千代田区オフィスビル様】事務所移転前工事
千代田区オフィスビル様のご依頼で、事務所移転前工事を実施した事例です。施工規模は約88坪、11名体制のフロアが対象で、工期は2週間でした。
主な施工内容は、造作間仕切り工事や電源工事、電話・LAN工事と幅広く、移転に伴う各種インフラを整備しました。
さらに大型モニターの設置に合わせて壁の補強と配線工事も行いました。モニターの位置決めは直前まで検討が続きましたが、限られた時間の中で適切な配置を決定し、無事に期限内で完成しています。
詳しい情報はこちらをご確認ください。
まとめ
オフィスの机の配置は、単なる見た目の問題ではなく、業務効率や安全性、快適性を左右する大切な要素です。対抗型や背面型、同向型などの基本スタイルから、ブース型やクロス型、ブーメラン型といった応用スタイルまで、それぞれにメリットと課題があります。自社の業務内容や働き方に合わせて、最適なレイアウトを選ぶことがポイントです。
株式会社ブレインズ・ネットワークが運営する「事務所移転.com」では、移転やレイアウト、配線、防災措置まで一貫して対応いたします。実際の施工イメージや移転スケジュールはWebサイトでご確認いただけます。お問い合わせやお見積もり、レイアウトのご提案は無料で承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
