今からでもできるオフィスの防災対策とは? 基本的な対策を徹底解説!万が一の際に被害を最小限に抑えよう
日本は地震大国と呼ばれるほど地震が多い国です。
日本地震学会によると人間の体に感じる地震は、単純平均で1日3~6回起こっているそうです。地震だけでなく火災や水害などの災害は、いつ、どこで発生するかを予測することは困難です。
しかし、災害が発生した場合に備えて対策を行っていれば、万が一の際に被害を最小限に抑えることもできるでしょう。
この記事では、今からでもできるオフィスの基本的な防災対策について紹介します。
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目次
オフィスの防災対策を行う理由
オフィスの防災対策を行う理由
人的・物的被害を最小にするため
何かしらの災害が発生した時に最も抑えるべきなのが人的被害です。
業務の中心がデスクワークの場合でも、オフィスの窓ガラスが割れたり、棚が倒れたり、照明が落ちてきたりといった被害が発生することはあります。
また、災害から直接の被害を受けなかったとしても、避難の途中で転倒するなどで怪我をしてしまうこともあります。
この場合の物的被害とは、オフィス内の備品などの破損ではなく、業務上必要不可欠な設備やデータなどのダメージです。
通常業務に復帰するためには、被害箇所の立て直しが必要です。被害が増えるほど立て直しにはコストがかかってしまいます。
人的被害も物的被害も、あらかじめ対策しておけば被害を最小限にすることもできます。そう言った意味でも日頃から備えておくことが大切です。
法律・条例で決められているから
オフィスの防災対策を行う意味は、人的被害や物的被害を抑えるためです。それだけでなく、そもそも対策を行うことが法律や条例で決められているといった面もあります。
労働契約法第五条には、労働者の安全に関する配慮義務に関する条文があります。
ここでは、使用者は労働者に対して、労働者の生命や身体などの安全を確保するために必要な配慮を行うことを義務付けています。
従来、安全に関する配慮といえば、労働者の健康面や労働災害に関して焦点が当てられていることがほとんどでしたが、最近では台風や地震といった自然災害に関しても焦点が当てられることが増えました。
また、各自治体の条例で定められている場合もあります。条例では、主に水や食料といった備蓄品を常備することを企業に求めています。
ただし、これらは努力義務となっているため、違反した場合の罰則は現在ありません。
参考
労働契約法 | e-Gov法令検索 東京都帰宅困難者対策条例
想定すべき災害の種類
火災
オフィスでの火災は主に電気機器から出火する場合がほとんどです。
コードの劣化によって半断線やコードを覆う皮膜が破れてしまっている場合やOAタップの対応している消費電力が超過している、常時接続しているコンセントとプラグの間からの漏電などが挙げられます。
上記のようなオフィス火災の要因の場合は、「正しい使用方法をすること」「定期的に点検・清掃を行うこと」によって災害発生のリスクを下げることが下げることが可能です。
日頃から意識的に行動していくことで、未然に災害の発生を防ぎましょう。
水害
近年は集中豪雨や台風等による河川の氾濫などの洪水被害が、今まで被害が起こったことのなかった地域でも発生することが増加しています。
水害の被害は、川や海周辺にオフィスがある企業は注意する必要があります。特に、オフィスがベイエリアにある場合は、台風が接近した時に起こる高潮に対しても注意する必要があります。
水害によってオフィスが被害を受けた場合は、PCなどの電子機器が水没により使用不能の状態にもなることも少なくありません。
また、見える範囲が濡れていなかったとしても、内部が濡れてしまっていることがあります。その場合、起動しようとした時に発火や漏電の恐れがあるため注意しましょう。
地震
1981年6月1日から適用された新耐震基準を満たしている建物は、震度が6強~7程度の非常に強い地震が発生した場合も構造的に倒壊しないように設計されています。
そのため、新耐震基準が適用される前に建てられた建物でなければ倒壊する可能性は低いです。しかし、震度5弱を超えるような大きい地震であれば、窓ガラスが割れたり、家具や機器が倒れるような被害が起こる可能性もあります。
また、5強以上になるとブロック塀が崩れてしまったり、自動販売機が倒れることもあるため、避難の途中で被害に巻き込まれてしまうこともあります。
参考
気象庁震度階級関連解説表
オフィスが行う防災対策
従業員との連絡手段
災害が発生した際は、従業員が無事かどうかの安否確認を行うための連絡手段を用意しておくことが大切です。
災害発生時は、多くの人が電話やインターネット回線を使用することから、なかなか連絡を取ることが難しいです。そのため、安否確認を出来る限り迅速かつ確実に行うことができるよう、複数の連絡手段を用意しておくと良いでしょう。
安全の確保
災害発生時は安全の確保を最優先に行うことが大切です。
国土交通省や自治体が公開している災害別ハザードマップをあらかじめ確認し、オフィス周辺にどのような災害が発生する恐れがあるのかを確認しておくと良いでしょう。
また、あらかじめ想定していた避難経路が災害により使えないことも十分あり得ます。避難経路は最低2つ用意しておくと安心です。
インフラの備蓄
災害発生時、電気や水道、ガスといったインフラが停止すると復旧や支援物資が届くまでに時間がかかります。
そのため、大規模災害が発生した際に備えて、最低3日分の水や食料といったインフラの備蓄を用意しておくと良いでしょう。
感染症対策
感染症に備えて対策をしておくことも大切です。
災害発生時、感染症にかかったとしてもすぐに病院に行くことができるとは限りません。感染症対策として、体温計やマスク、アルコール消毒液などを用意しておくと良いでしょう。
定期的な避難訓練
定期的な避難訓練は消防法で定められている義務です。年一回以上の実施が義務付けられていて、避難訓練を実施することで、災害発生時に危険を避けるためにどのように行動すれば良いのかを身につけることができます。
避難訓練の際は、発生する災害を想定して避難経路や安全確保についてあらかじめ確認しておきましょう。
まとめ
今回は、今からでもできるオフィスの基本的な防災対策について紹介しました。災害が発生した際の被害を最小限に抑えられるかどうかは、あらかじめ防災対策が行えているかで変わります。
この機会に、オフィスの防災対策について改めて考えてみてはいかがでしょうか。