10坪のオフィスのレイアウト方法とは? おすすめの家具やポイントも紹介!
10坪という限られた広さのオフィスでは「快適に働けるのか」「収納や来客対応はどうするのか」といった悩みを抱く方は少なくありません。スペースの制約があるからこそ、レイアウトの工夫が求められます。
そこで本記事では、10坪のオフィスのレイアウト方法や、おすすめの家具、快適に過ごすためのポイントなどを紹介します。オフィス移転や新たなレイアウトをご検討中の方は、ぜひ参考になさってください。
目次
10坪のオフィスでは何人働ける?
10坪は約33㎡、畳に換算するとおよそ18畳の広さです。オフィスとして利用する場合、1人当たりに必要なスペースは理想値で約5〜6㎡とされており、現実的な目安では約3〜4㎡とされています。
なお労働安全衛生法では、オフィスにおける社員1人当たりの気積(空間の体積)は10㎡以上と定められています。床面積に換算すると、例えば天井の高さが2.5mであれば、1人当たりの床面積は4㎥です。
この基準を踏まえると、10坪のオフィスの収容人数ごとの目安は、以下の通りです。
- ●1〜2人:それぞれのデスクと小規模な打ち合わせスペースを設置可能。個別作業が中心となる企業に向いている
- ●3〜5人:座席の運用はフリーアドレスにする他、コンパクトな家具でそろえる必要がある。ミーティング用のスペースも考慮してレイアウトするとよい
- ●6〜10人:デッドスペースを有効活用する他、ペーパーレス化も必須となる。収納スペースを工夫して作る必要がある
近年は、フリーアドレスやペーパーレス化の導入により、10坪のオフィスでも快適に働くことができます。しかし人数を詰め込み過ぎると動線や空調環境が悪化し、生産性が低下するリスクもあるため注意しましょう。
快適性と効率性のバランスを取りながら、現実的な収容人数を見極めることが重要です。
10坪のオフィスのレイアウト方法

10坪というコンパクトな空間でも、レイアウトの工夫次第で快適に働ける環境は実現できます。ここからは、具体的なレイアウト方法を解説していきます。
コンセプトを明確にする
オフィスのレイアウトを考える上で最初に重要なのは「どのようなオフィスを目指すのか」というコンセプトを明確にすることです。コンセプトが決まれば、家具や素材、色、配置に一貫性が生まれます。
例えば落ち着いた雰囲気を目指すなら木目調やシンプルな色合いを基調とした家具や内装。活発な交流を促したいなら、明るいカラーやオープンスペース用の家具や内装といった具合に、コンセプトによって選択肢も変わってくるでしょう。
またコンセプトは企業の文化やブランディングを反映するものであり、来客が最初に抱く印象にも直結します。シンプル、カフェ風、モダン、あるいはコーポレートカラーを取り入れたデザインなど、事例に沿った方向性を検討することが成功の鍵です。
設計前にしっかりとコンセプトを定めることで、限られた10坪を効率的かつ魅力的に活用できるでしょう。
デスクは壁に付ける
10坪のオフィスでは、中央に余白を残すことが快適で動きやすい空間を作るポイントとなります。そのためデスクは壁際に配置するのがおすすめです。デスクを壁に寄せることで中央に広い動線を確保でき、会議スペースや共用の打ち合わせコーナーを設けやすくなります。
またデスクを壁際にまとめれば配線やコンセントの整理がしやすくなるメリットもあります。
収納は壁面・天井付近にする
10坪のオフィスでは、床面をどれだけ広く保てるかが使い勝手を左右します。まずは書類や備品を壁面収納に集約しましょう。壁一面を収納にすれば、床を圧迫せずに必要量を確保できます。
また高い位置の棚(ウォールシェルフ)や吊り棚を活用すると、デスク周りをすっきり保つことが可能です。壁掛けファイル収納も併用すれば、取り出しやすさと視認性が向上します。
なお導入時は耐震・耐荷重の確認が必須です。天井付近の収納は、落下防止金具や耐震ラッチを備えた製品を選びます。動線に張り出さない奥行きを選び、角部の養生で安全性も高めましょう。
折り畳める家具を選ぶ
10坪という限られた面積を有効活用するには、折り畳み式や可動式の家具がおすすめです。折り畳みデスクや椅子は未使用時に収納でき、作業エリアと打ち合わせエリアを素早く切り替えられます。
ミーティングや来客用のテーブルを折り畳み式にすれば、必要なときだけ広げて、普段は壁際に寄せておけるので、スペースを取りません。またデスクやパーティションも可動式のものにすれば、人数や用途に合わせてレイアウトを柔軟に変更できます。
選定のポイントは、軽量性と耐久性のバランスです。アルミ脚や樹脂成形で軽量なもの、あるいは木製で意匠性の高いものを、コンセプトに合わせて選びます。天板ロック、ストッパー付きキャスターなど安全機構も確認しましょう。
10坪のオフィスをレイアウトする際のおすすめの家具

10坪のオフィスをレイアウトする際は、省スペース性と多機能性を両立する家具選びが成否を分けます。ここでは、面積を効率よく使えるおすすめの家具を紹介します。
収納があるデスク・ベンチ
10坪のオフィスでは、収納一体型の家具が強い味方です。デスク下に収納があれば、書類・ケーブル・私物などを手元で管理でき、デスクの上と床をきれいに保てます。
バックオフィス中心の運用なら、デスクの片側に引き出しが付いているデスクが扱いやすく、鍵付き収納を選べばセキュリティ面も安心です。
また休憩・打ち合わせスペースを設ける場合は、ベンチ型収納が便利です。座る場所を確保しつつ、収納スペースとしても活用できます。
可動式のパーティション・本棚
可動式パーティションは、工事を伴わずにゾーニングを変えられる実用的なアイテムです。ローパーティションを組み合わせれば、執務エリアの一角に会議スペースや応接スペースを確保できます。透過性のある素材を選べば、圧迫感を抑えられます。
さらに収納家具を間仕切りとして活用する方法も有効です。背面化粧仕上げの本棚やカウンター付き本棚を通路側に向ければ、資料の定位置化とゾーニングを同時に達成できます。
必要に応じて防音パネルや吸音材を併用すると、Web会議のノイズ対策にも役立ちます。導入コストが比較的低く、レイアウト変更の負担が小さい点もメリットです。10坪でも「仕切り=固定壁」という発想から離れることで、用途の幅が広がります。
壁面収納・吊り棚
10坪のオフィスでは、床面を圧迫せずに収納を確保する工夫が不可欠です。代表的なのが壁面収納の活用です。書類や備品を壁際にまとめることで、床を広く使いながら必要な収納量を確保できます。
さらに、高い位置の吊り棚やデスク上部のウォールシェルフを取り入れると、縦の空間を生かせます。奥行きの浅い棚であれば圧迫感を抑えられ、視界の広さも維持できるでしょう。
また壁掛けファイル収納やマグネット式ホワイトボードを組み合わせれば、収納量を増やしつつ、床面を広く保つことが可能です。
ただし、設置の際は耐震性・耐荷重の確認が欠かせません。天井近くに棚を設置する場合は落下防止金具などで固定し、踏み台を利用する場合も安全性を考慮する必要があります。
10坪のオフィスを快適にするポイント
ここからは、10坪のオフィスを快適な空間にするためのポイントを紹介していきます。
定期的に整理整頓する
狭いオフィスでは、物が散らかるとすぐに圧迫感が増してしまいます。そのため定期的な整理整頓が重要です。不要な書類や荷物を放置せず、書類管理のルールや置き場所を明確にすることで、きれいなオフィスを保てます。
またペーパーレス化を推進すれば収納量そのものを削減でき、デスクや床が乱雑になるのを防げます。
運用面では、社内で「整理整頓日」を設けて一斉に片付けを行う方法が効果的です。ごみ箱や共有収納を動線上に配置することで、自然に片付けが習慣化します。ウォールシェルフやブックシェルフを取り入れるのも、整理整頓を続けやすくする工夫です。
オフィスを常に清潔に保てば、来客時にも良い印象を与えられます。整理整頓をルール化することが、10坪オフィスを快適に維持する近道です。
フリーアドレスにする
10坪の限られた空間を効率的に使うには、フリーアドレス制の導入が有効です。個人専用デスクをなくし、社員が自由に空いている席を使う仕組みにすることで、スペースを有効活用できます。
荷物置き場をロッカーなどに統一すれば、デスク周りをすっきり保てる点も魅力です。空席はミーティングスペースとしても活用できるため、用途を切り替えやすくなります。
また自由に席を選べる環境は、部署を越えた交流を促し、生産性の向上やアイデアの創出につながるでしょう。
なおフリーアドレスを導入する場合は、無線LANの設置やノートパソコンの支給が必要となる点に留意しましょう。
明るい色を基調とする
10坪という限られたスペースを広く感じさせるには、明るい色を基調とした配色が効果的です。白やベージュ、アイボリー、淡いブルーなどは光を反射して空間に開放感を与えます。
また内装材や家具の基調色を2〜3色程度にまとめると、視覚的にすっきりし、雑然とした印象を防げます。壁紙は無地を選び、縦ラインを強調する柄を取り入れることで、天井が高く見える効果も期待できます。
反対に暗い色を多用すると圧迫感を生み、狭さを強調してしまうため注意が必要です。そこで差し色としてアクセントカラーを取り入れると、単調さを避けつつ印象に残る空間になります。配色の工夫一つで、10坪でも広がりと明るさを演出できるのです。
デッドスペースを有効活用する
小規模オフィスでは、意外と見落とされがちなデッドスペースを活用することが重要です。例えば壁際や通路端の余白に収納を組み込めば、床面を広く確保しつつ動線も改善できます。
また共有スペースを複数用途で利用する発想も効果的です。会議室を昼食スペースとして兼用したり、収納兼パーティションを導入したりすることで、空間の役割を切り替えながら使えます。さらに天井近くの収納を追加するなど、立体的な活用で余白を最小限に抑えることも可能です。
ただし詰め込み過ぎは安全性を損なうため、避難経路や家具の安定性を考慮する必要があります。デッドスペースを減らすことは、心理的にも開放感を与え、10坪をより快適に感じさせます。
法律にのっとったレイアウトにする
オフィスレイアウトを考える際には、デザインや効率性だけでなく法令遵守が前提となります。小規模オフィスでも消防法や労働安全衛生規則などの基準は適用されるため、注意が必要です。
まず消防法では欄間が空いていない間仕切りを設置する際に所定の手続きが求められ、火災感知器やスプリンクラーの設置も義務づけられています。また避難経路を確保し、非常口を塞がないようにすることは最低限の条件です。家具の転倒防止も重要で、固定金具や耐震補強を行う必要があります。
照明基準については、一般作業で150lx以上、精密作業で300lx以上が推奨されています。小規模オフィスでも照度を確保するために間接照明や補助灯を導入する工夫が必要です。小規模だからといって安全対策を軽視せず、法令に基づいた計画を立てることで、安心して働ける環境を整えることができます。
まとめ
10坪のオフィスは約33㎡で、18畳ほどの広さです。限られたスペースしかないオフィスでも、工夫次第で快適な労働環境は実現できます。例えばデスクを壁際に配置して中央の動線を確保したり、壁面や天井付近に収納を設けたりして、広い動線を確保しましょう。
また折り畳み式や可動式の家具を取り入れれば、多用途に使い分けられます。さらにフリーアドレス制やペーパーレス化を進めることで、スペース効率と生産性の向上が期待できるでしょう。
明るい色調の内装で開放感を演出し、法令に沿った安全性も確保することが重要です。
株式会社ブレインズ・ネットワークが運営する「事務所移転.com」では、移転先の選定からレイアウト作成、家具の搬入や原状回復まで一貫して対応しています。施工事例や移転スケジュールはWebサイトで紹介しているため、そちらもご確認ください。
またお問い合わせからお見積もり、レイアウトのご提示まで無料で承っております。オフィス移転や内装工事をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
