オフィス移転の進め方を徹底解説! 実践ステップを紹介

オフィス移転は、企業の成長や働き方の変化に合わせて環境を整える大切なプロジェクトです。しかし「どのくらい前から準備を始めればよいのか分からない」「進め方が複雑そうで不安」と感じている担当者も多いのではないでしょうか。

本記事では、オフィス移転の全体像を4つのステップに分けて解説します。目的の整理から物件選び、引っ越し、そして移転後の運用までの流れを順を追って紹介し、移転を成功に導くためのポイントをまとめました。

オフィス移転を検討している方や、初めて担当する総務・企画部門の方は、ぜひ参考になさってください。

オフィス移転の進め方:4つのステップ

オフィス移転をスムーズに進めるには、全体の流れをあらかじめ把握し、段階的に準備を進めることが欠かせません。

ここでは、移転を円滑に進めるためのステップを4つに分けて簡単に紹介します。

1. 移転する目的を明らかにする

最初のステップは、なぜ移転を行うのかを明確にすることです。目的があいまいなまま進めると、物件選びやレイアウト設計で方向性がぶれてしまい、移転後に不満が残るケースもあります。

例えば「事業拡大に対応するためのスペース確保」「コスト削減」「老朽化への対応」「働き方改革の推進」など、目的を具体的に整理しましょう。さらに、経営層と各部門で合意形成を図り、成果の指標(KPI)を設定しておくことで、移転効果を客観的に評価しやすくなります。

2. 物件・レイアウトの選定、工事業者の手配

移転の計画は8カ月前からの準備が理想です。6カ月前までに新オフィスを決定できるよう、立地・広さ・設備・賃料・契約条件を明確にした上で候補を絞り込みます。

物件が決まったら、社内動線やコミュニケーションの取りやすさを意識したレイアウトを設計します。内装デザインには企業のブランドイメージや文化を反映させると、社員のモチベーション向上にもつながるでしょう。

また、家具や什器は現オフィスの継続使用・新規購入・リース・中古活用など、コストと機能性のバランスを見て判断します。引っ越し業者は複数社から見積もりを取り、実績・評判・対応力を比較しましょう。IT環境の構築まで一括対応できる業者を選ぶとスムーズです。

3. 引っ越し・各種手続き

移転の3カ月前から当日にかけては、実際の引っ越しと各種手続きを進めます。まず、部署ごとに不要な備品や書類を整理・廃棄し、荷物量を減らすことで費用を抑えられます。機密文書の処分は情報漏えいに注意し、専門業者に依頼しましょう。

社員にはスケジュールや新住所を共有し、梱包ルールを明記したマニュアルを配布します。取引先や関係機関への移転案内の発送、名刺・封筒・請求書・Webサイトの住所更新も忘れずに行います。

また、法務局・税務署・年金事務所・労働基準監督署・ハローワークなどへの届け出を期限内に行うことが重要です。郵便局や銀行、通信会社などへの住所変更手続きも並行して進めましょう。

4. 移転後の管理・運用

移転完了後も、業務が円滑に稼働するよう運用フェーズの整備が必要です。

まず、ネットワーク・セキュリティ・設備の最終確認を行い、トラブルがないかチェックします。旧オフィスでは原状回復工事の完了とオーナーへの明け渡し、公共料金の停止や敷金精算などの対応を済ませましょう。

さらに、新オフィスでの定着を支援するため、社員アンケートやヒアリングを実施して改善点を吸い上げます。ABW(Activity Based Working)やフリーアドレス制など、新しい働き方を取り入れることで、移転を生産性向上のチャンスへとつなげられます。

オフィス移転の具体的な進め方

ここまででオフィス移転の全体像を把握できたら、次は具体的な進行手順を整理していきましょう。オフィス移転は、計画立案から契約、引っ越し、移転後の運用まで段階的に進める必要があります。

8カ月~1年以上前から計画を開始するのが理想的であり、工程ごとに「担当者」「期限」「実施内容」を明確にすることが成功の鍵です。以降では、実務的な流れをステップごとに解説します。

プロジェクトチームの結成

オフィス移転をスムーズに進めるには、専任のプロジェクトチームを立ち上げることが重要です。移転は部署をまたぐ大規模な業務のため、複数部門が協力して進める体制づくりが欠かせません。

中心となるのは総務部ですが、人事・IT・経営企画・営業部門などの担当者も参画させましょう。各部門の視点を取り入れると、より実用的で全社的な移転計画が立てやすくなります。

チームにはリーダーを配置し、スケジュール・予算・業者調整を一元管理します。役割分担を明確にし、意思決定のスピードを高めることがポイントです。

さらに、移転の目的(なぜ移転を行うのか)をチーム全員で共有することが成功の鍵です。目的の共有が不十分だと、部門間で意見が分かれ、計画が停滞する恐れがあります。共通のゴールを明確にすれば、組織全体が同じ方向に進むことができます。

現オフィスへの解約予告

現オフィスの契約内容を早期に確認し、適切なタイミングで解約手続きを行うことは、移転計画の出発点といえます。

多くの賃貸契約では、6カ月前までに解約予告を出す必要があります。期限を過ぎると、追加賃料が発生することもあるため、まず契約書の「解約予告期間」「原状回復範囲」「敷金返還条件」を確認しましょう。

解約の意思表示は、書面で行うのが基本です。内容証明郵便など、送付・受領の記録が残る方法を取ると安心です。管理会社やオーナーと事前に相談し、退去日や工事スケジュールのすり合わせを行いましょう。

また、退去時に行う原状回復工事の範囲と費用負担を明確にしておくことも重要です。壁紙や床の張り替え、配線撤去など、細かな項目を契約時に確認しておくことで、後々のトラブルを防げます。

この段階での丁寧な対応が、スムーズな明け渡しと良好な関係維持につながります。

物件の選定

新オフィスの物件選びは、移転全体の成否を左右する重要な工程です。理想的には移転の6カ月前までに新オフィスを決定し、十分な内装・工事期間を確保しましょう。

まず、移転目的に沿って条件をリスト化します。

 

  • ・広さ・座席数(将来の人員増も想定)
  • ・立地・アクセス(駅や顧客との距離)
  • ・賃料・共益費・保証金などのコスト
  • ・建物設備(空調・電源・通信環境)
  • ・セキュリティ・耐震性能・BCP対応

 

これらを基に優先順位を明確にしておくと、複数候補を比較しやすくなります。

情報収集には、不動産会社やオフィス仲介サイトを活用しましょう。市場相場を調べ、条件に合う物件をリストアップします。内見時には日照・騒音・空調・電源数・ネット環境・共用スペースを確認し、実際の使い勝手をイメージしてみましょう。

契約前には、原状回復義務・共益費・更新料・中途解約の条件など、長期的なコストに関わる項目を入念にチェックします。短期的な賃料だけでなく、入退去時の費用まで見据えて総合的に判断することが大切です。

立地や費用だけで決めず、働きやすさ・採用力・企業ブランドへの影響も考慮して選定を行いましょう。

レイアウト・家具・引っ越し業者の選定と手配

移転の4〜5カ月前は、レイアウト設計や家具手配、業者選定など、具体的な準備を集中して進める重要な時期です。この段階の計画精度が、その後の工事や引っ越し作業のスムーズさを大きく左右します。

まず、新オフィスのレイアウトを検討します。業務効率や動線、社内コミュニケーションを意識した配置を心がけ、企業のブランドイメージや文化を反映した内装デザインに仕上げましょう。執務スペースと会議室、休憩エリアのバランスを考えた設計が理想的です。

家具や什器は、現オフィスのものを継続使用するか、新たに購入・リース・中古家具を活用するかを判断します。コストと機能性の両立を意識し、使い勝手や耐久性、デザインの統一感にも配慮しましょう。

また、引っ越し業者は複数社から見積もりを取り、価格だけでなく実績・評判・対応の丁寧さを比較検討します。特に、ITインフラの設置まで一括で対応できる業者を選ぶと、工程管理がスムーズになります。

最後に、内装業者や電気・通信工事業者の手配も早めに行い、スケジュールを共有して連携体制を整えましょう。準備を前倒しで進めることが、後のトラブル回避につながります。

現オフィスの整理と原状回復工事の手配

移転の3カ月前からは、現オフィスの整理と原状回復工事の準備に取りかかります。荷物を減らしておくことで引っ越し費用を抑えられ、移転当日の混乱も防げます。

まず、各部署ごとに不要な書類や備品を洗い出し、早めに処分を進めましょう。機密文書は情報漏えい防止のため、専門業者による溶解処理や証明書発行サービスを利用すると安心です。整理を早期に始めることで、業務を止めずに効率的な準備が可能になります。

続いて、原状回復工事の手配を行います。契約書で定められた範囲を確認し、複数の工事業者から見積もりを取得して費用を比較しましょう。価格だけでなく、施工品質やスケジュール管理の確実さも判断基準になります。

さらに、ビル管理会社との調整も欠かせません。工事日程や作業時間、共用部分の使用ルールなどを確認し、トラブルを未然に防ぎましょう。荷物を減らしておくことで原状回復工事の効率も高まり、コスト削減にもつながります。

社内外への周知・引っ越し準備

移転の2カ月前には、社内外への周知と引っ越し準備を本格化させます。この時期に情報共有とマニュアル整備を徹底することで、混乱を最小限に抑えられます。

まず、全社員に移転スケジュールや新住所、業務への影響を共有します。社内ポータルや掲示板を活用して、部門ごとのタスクを明確にしておくと効果的です。協力体制を早期に整えることで、現場での対応もスムーズになります。

次に、梱包マニュアルを作成・配布します。梱包資材の使用方法、ラベルの記載ルール、保管エリアなどを明確にすることで、誤配送や紛失を防げます。特にIT機器や精密機材は、耐震・防水対応の梱包を行いましょう。

また、取引先や関係各所への移転案内も忘れずに行います。新住所、電話番号、移転日、業務開始日を明記した案内状を送付し、Webサイトやメール署名の更新も同時に行います。名刺・封筒・請求書などの印刷物の情報更新も早めに対応しましょう。

周知と準備を丁寧に進めることで、引っ越し当日の混乱を防ぎ、全社的な連携体制を築けます。

各種手続き・届け出

移転の1カ月前から当日にかけては、官公庁や関係機関への各種届け出を進める時期です。これらの手続きには提出期限があるため、チェックリスト形式で計画的に対応しましょう。

主な手続きは次の通りです。

 

  • ・法務局:本店所在地変更登記
  • ・税務署:異動届出書の提出
  • ・年金事務所・労働基準監督署・ハローワーク:社会保険・労務関連の届出
  • ・郵便局:転居届の提出
  • ・銀行・電話会社・プロバイダ:住所・契約内容の変更手続き

 

これらは提出期限や必要書類が異なるため、担当者ごとに進捗を管理すると安心です。

また、新オフィスでの運用を円滑に始めるために、入退室管理や座席利用ルールなどの運用方針を策定します。フリーアドレス制を導入する場合は、利用エリアの制限や予約ルールも明確にしておくと混乱を防げます。

引っ越し当日は、現オフィスと新オフィスの両方に責任者を配置し、搬出・搬入、ITセットアップ、ネットワーク接続を確認します。連絡体制を整え、トラブル発生時にも迅速に対応できるよう準備しておきましょう。

オフィス移転後の最終調整・確認

オフィス移転が完了した後も、業務を完全に軌道に乗せるためには最終調整と確認作業が必要です。

まず、新オフィスではネットワーク・セキュリティ・設備の最終チェックを行い、全システムが問題なく稼働しているかを確認します。照明や空調、電話機、複合機などの設備も含め、担当者がチェックリストを基に確認しましょう。

次に、移転後に発生した不具合や課題に迅速に対応します。例えば、通信障害や席配置の不便さなど、初期トラブルを放置しないようにします。

旧オフィスでは、原状回復工事の完了確認を行い、鍵やセキュリティカードを返却します。敷金精算や契約書類の受け渡しも忘れずに行い、明け渡しを正式に完了させましょう。

さらに、社員へのサポートも重要です。移転後のアンケートや面談を通じて、新しい環境への満足度や改善点を把握します。改善提案を反映することで、社員が快適に働ける環境を維持できるでしょう。

こうしたアフターフォローを行うことで、オフィス移転を「終わり」ではなく「新たなスタート」として定着させられます。

まとめ

オフィス移転を成功させるには、各ステップを着実に進めることが大切です。早めの準備によってスケジュールに余裕を持ち、目的を明確にすることで、全体の方向性を統一できます。

また、総務や人事、IT部門などの全社的な連携が移転成功の鍵となります。各段階でタスクや責任を明確化し、関係者が一体となって進める体制を築きましょう。

株式会社ブレインズ・ネットワークが運営する「事務所移転.com」では、物件探しから内装工事、通信環境の整備までを一貫してサポートしています。オフィス移転を検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。施工事例やスケジュールの例は、こちらからご確認いただけます。

事務所移転コラム編集部
この記事を書いた人

事務所移転コラム編集部

東京を中心にオフィス移転、事務所移転事業を展開する事務所移転.comのコラム編集部です。最新のトレンドや、役に立つ情報を中心に、幅広い情報をお届けします!

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