失敗しないオフィス照明の選び方とは? メリットや種類も徹底解説

オフィス移転やレイアウト変更を検討する際、照明計画は後回しにされがちな要素です。しかし照明は、単に明るさを確保する設備ではありません。業務効率や働きやすさ、省エネルギー性、さらには企業イメージにも大きく関わる重要なインフラです。

適切な照明環境が整えば、社員が快適に働けるだけでなく、来訪者に与える印象も向上します。近年は「人に優しい照明」や「ウェルビーイング」を意識したオフィスづくりへの関心も高まっています。

本記事では、オフィス照明の重要性をはじめ、見直しによるメリット、基礎知識、選び方のポイント、省エネの考え方までを整理して解説します。オフィス移転を機に、照明を戦略的に見直すためのヒントとしてご活用ください。

オフィスの照明を見直す3つのメリット

オフィス照明を見直すことで得られる効果は、単なる見た目の変化にとどまりません。業務効率の向上や企業イメージの改善、コスト削減といった実務面にも影響します。ここでは、照明を見直すことで得られる代表的な3つのメリットを整理します。

1.業務効率や生産性が向上する

照明環境は、日々の業務パフォーマンスに直結します。明るさや光色、配置が適切でないと、目の疲労や集中力の低下を招く原因になります。

一般的に、執務スペースでは500〜750lx程度の照度が目安とされます。文字の読み書きやディスプレイ作業が多い場合は、十分な明るさを確保することが重要です。また昼白色や白色など、自然光に近い色温度を選ぶことで、視認性が高まり作業に集中しやすくなります。

照明の配置も重要なポイントです。画面への映り込みや手元の影が生じないよう、タスク内容に応じたバランスを考える必要があります。さらに、昼は明るく夕方はやや落ち着いた光にするなど、生体リズムに配慮した設計を行うことで、疲労感の軽減が期待できます。

自然光と人工照明をうまく組み合わせれば、快適性を保ちながら省エネにもつながります。照明は、業務を支える基盤として計画的に整えることが大切です。

2.オフィスイメージを刷新できる

照明は、オフィスの印象を大きく左右する要素です。光の色や当て方によって、空間の雰囲気は大きく変わります。

例えば、昼白色の照明は清潔感や信頼感を演出しやすく、執務スペースや会議室に適しています。一方、電球色は温かみのある印象を与えるため、応接室やラウンジなど、落ち着いた雰囲気を求める空間に向いています。来客エリアでは、企業のブランドイメージと照明演出を一致させることが重要です。

照明単体で考えるのではなく、家具や内装、壁色との統一感も意識する必要があります。全体のデザインと調和した照明計画は、空間に一体感を生みます。オフィスのリニューアルやリブランディングの一環として照明を見直すことで、採用活動や対外的な印象にも良い影響を与えるでしょう。

3.オフィスの省エネ対策になる

照明の見直しは、省エネ対策としても有効です。特にLED照明への切り替えは、消費電力の削減につながります。一般的に、従来の蛍光灯と比べて約40〜60%程度の電力削減が期待できるとされています。

加えて、人感センサーや調光機能、タイマー制御を取り入れることで、無駄な点灯を防げます。廊下やトイレ、会議室など、人の出入りが多い場所では、消し忘れ対策として効果的です。これにより、電気代の抑制だけでなく、管理の手間も軽減できます。

省エネは、コスト削減にとどまらず、環境への配慮や社会的責任の観点からも重要な取り組みです。近年は脱炭素経営やZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)への関心も高まっており、照明設備の更新がその第一歩となるケースもあります。条件を満たせば、国や自治体の補助金・助成金を活用できる場合もあるため、情報収集と併せて検討すると実用性が高まります。

オフィス照明に適した明るさ(照度)とは?

オフィス照明を検討する際は、「どれくらい明るくすべきか」を感覚だけで判断しないことが重要です。照明には法令で定められた最低基準と、快適性を高めるための目安があり、それぞれ役割が異なります。

照度とは、照明によって机上面や床面などの作業面に届く光の量を示す単位で、lx(ルクス)で表されます。労働安全衛生規則(事務所則)では、労働者が常時作業を行う室において、一般的な事務作業は300lx以上、付随的な事務作業は150lx以上といった最低照度基準が定められています(※1)。

一方、日本産業規格のJIS Z 9110では、より快適な作業環境を想定し、事務室や役員室で750lx程度を一つの目安としています(※2)。法令は「最低限守るべき基準」、JISは「働きやすさを考慮した推奨値」と理解すると分かりやすいでしょう。

また照度と混同されやすい概念に「輝度」があります。輝度は、人の目に入ってくる明るさの度合いを示す指標です。壁や天井を明るい色にしたり、反射を生かした照明計画を行ったりすることで、照度を過度に上げなくても明るく感じさせることができます。

なお、パソコン作業が中心のオフィスでは、明る過ぎる照明がかえって目の疲労につながる場合もあります。基準値を踏まえつつ、業務内容に合った照度設計を行うことが大切です。

※1 厚生労働省.「事務所衛生基準規則(昭和四十七年労働省令第四十三号)」.https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000043/ ,(2022-12-01).

※2 日本産業規格.「JISZ9110:2011 照明基準総則」.https://webdesk.jsa.or.jp/preview/pre_jis_z_09110_000_000_2024_j_ed10_ch.pdf ,(2024-12-20).

オフィス照明で使用する電球の種類と特徴

オフィス照明には複数の電球種類があり、それぞれ特性や適した用途が異なります。現在はLEDが主流になりつつありますが、蛍光灯や白熱電球も特定の用途で使われています。ここでは、代表的な電球の種類を整理し、それぞれの特徴を見ていきましょう。

LED電球

LED電球は、現在のオフィス照明で主流となっている光源です。消費電力が小さく、エネルギー効率が高い点が大きな特徴といえます。従来の光源と比べて発熱が少なく、無駄なエネルギーを抑えやすい構造です。

また寿命が長いため、電球交換の頻度が減り、保守や管理の負担軽減につながります。初期費用はやや高めですが、電気代や交換コストを含めた長期的な視点では、コストパフォーマンスに優れているケースが多く見られます。

近年は調光や調色に対応した製品も増えており、時間帯や用途に応じた柔軟な照明制御が可能です。省エネや脱炭素への取り組みを進める企業にとって、LED照明は導入しやすい選択肢といえるでしょう。

蛍光灯

蛍光灯は、これまで多くのオフィスで採用されてきた光源です。導入コストが比較的抑えやすく、広範囲を均一に照らしやすい点が特徴とされてきました。

一方で、LEDと比べると消費電力が高く、長期的には電気代がかさみやすい傾向があります。また蛍光灯には水銀が使用されており、国際的な水銀使用規制の流れを受けて、政府方針として2027年末には全面禁止への動きがあります。

すぐに使用できなくなるわけではありませんが、更新や移転のタイミングでは、将来を見据えた選択が求められるでしょう。切り替え時には、器具の互換性や工事の必要性も確認しておくと安心です。

白熱電球

白熱電球は、オレンジ色の温かみのある光が特徴の電球です。柔らかな雰囲気をつくりやすく、落ち着いた印象を与えます。

ただし、エネルギー効率が低く、寿命も短いため、一般的な執務スペースでの使用には向いていません。消費電力が大きく、維持コストが高くなりやすい点も注意が必要です。

オフィスでは、休憩スペースや応接室、間接照明など、雰囲気づくりを重視する場面で補助的に使われることがあります。リラックス効果や空間演出に寄与する一方で、業務用照明として主照明に採用するケースは限定的です。用途を明確にした上で、適切に取り入れることが重要です。

照明の色合い(色温度)による印象の違いと適した空間

照明の色合いは、オフィスの印象や働きやすさに大きく影響します。色合いは色温度と呼ばれ、K(ケルビン)という単位で表されます。色温度が異なると、空間の雰囲気や集中のしやすさ、心理的な受け止め方も変わります。

そのため、色温度は好みで選ぶものではなく、業務内容や利用シーンに合わせて設計することが重要です。ここでは、代表的な色温度である昼光色・昼白色・電球色について、それぞれ適した空間を見ていきます。

昼光色

昼光色は、青みがかった白色の光で、最も明るく感じやすい色合いです。シャープで洗練された印象を与え、空間を引き締める効果があります。

視認性が高いため、細かな作業や資料確認、パソコンを使った業務との相性が良いとされています。集中しやすい環境づくりに向いていることから、執務スペースや会議室など、思考や判断を要する場面で活用されるケースが多く見られます。

一方で、昼光色を広範囲に使い過ぎると、刺激が強くなり、疲労感につながる可能性もあるため注意しましょう。必要な場所に限定して使うなど、バランスを意識した取り入れ方が重要です。

昼白色

昼白色は、太陽光に近い自然な色合いが特徴です。明るさと温かみのバランスが良く、違和感の少ない光として、多くのオフィスで採用されています。

長時間のデスクワークでも目が疲れにくく、執務スペース全体に使いやすい点が大きなメリットです。部署や業務内容を問わず取り入れやすいため、一般的なオフィス照明として幅広く活用されています。

ただし、全ての空間に最適というわけではありません。用途に応じて他の色温度と組み合わせることで、より快適な照明環境を整えやすくなります。

電球色

電球色は、オレンジ系の暖色で、温かみのある黄色い光が特徴です。落ち着いた雰囲気を演出しやすく、リラックス効果が期待できる色合いとされています。

オフィスでは、休憩室や応接室、リラックススペースなど、緊張を和らげたい空間に適しています。間接照明やアクセント照明として取り入れることで、空間に柔らかさを加えることも可能です。

一方で、執務スペースに使用すると、集中しにくくなったり、明るさが不足したりする場合があります。業務効率向上を目的とした主照明には向かないため、用途を限定して活用することが大切です。

オフィス移転・事務所移転で失敗しない照明選び

オフィス移転や事務所移転では、照明選びでつまずくケースが少なくありません。照明は明るさだけで決めるものではなく、年齢層や内装、設備条件など複数の視点が必要です。

移転やレイアウト変更のタイミングでまとめて見直すことで、後戻りのない計画につながります。ここから具体的なポイントを見ていきましょう。

幅広い年齢層に対応できる明るさにする

オフィスにはさまざまな年齢層の従業員が在籍しており、見え方には個人差があります。一般に、加齢とともに明るさを感じにくくなる傾向があるため、誰にとっても働きやすい照明設計が重要です。

そのためには、感覚だけで判断せず、照度計算を行い、客観的な基準を基に明るさを検討する必要があります。一律の設定が最適とは限らず、作業内容や時間帯によって適切な明るさは変わります。

調光・調色機能を備えた照明器具を活用すれば、状況に応じた柔軟な調整が可能です。全体最適の視点で明るさを設計することが、快適な業務環境につながります。

オフィスの内装とデザインに合わせる

照明器具は、オフィス空間の印象を左右する要素の一つです。内装や家具と調和していない照明は、空間に違和感を生み、集中力を妨げる原因になることもあります。

そのため、照明は単体で選ぶのではなく、内装やレイアウトと一体で考えることが大切です。床や壁材、家具の色味とのバランスを意識することで、統一感のある空間をつくりやすくなります。

また、エントランスと執務スペースでは、照明に求められる役割も異なります。レイアウト計画の段階から照明計画を組み込むことで、機能性とデザイン性を両立しやすくなります。

天井の配線器具との適合性を見る

照明選びでは、天井に設置されている配線器具との適合性を確認することが欠かせません。照明器具によって対応する配線器具の種類が異なるため、事前確認を怠ると取り付けができない場合があります。

無理に取り付けを行うと、漏電や故障などのリスクが高まります。場合によっては、電気配線工事が必要になることもあり、工事費用や工期に影響するでしょう。

移転前の現地調査を通じて、設備状況を把握しておくことが重要です。安全面を考慮し、取り付けは専門業者に依頼する前提で計画を進めましょう。

調光・調色機能や人感センサー付きの照明を検討する

照明の機能性を高めることで、快適性と省エネの両立が期待できます。調光・調色機能があれば、利用状況に応じて明るさや色合いを調整でき、柔軟な照明管理が可能です。

また、人感センサー付き照明は、廊下や階段、トイレなどで消し忘れを防ぎやすくなります。無駄な点灯を抑えることで、電気代の削減につながるケースもあります。

これらの機能は、管理の手間を減らす点でもメリットです。導入効果は運用方法によって左右されるため、オフィスの使い方に合わせて検討することが大切です。

【事務所移転.com】のオフィス照明の施工事例

ここでは、オフィス照明の考え方を実際の施工事例を通じて具体的に紹介します。株式会社ブレインズ・ネットワークが運営する「事務所移転.com」が手掛けた、会議ブースのあるオフィス事例です。照明計画が空間づくりにどのように生かされているかを見ていきましょう。

【東京都中央区銀座】おしゃれな照明の施工事例

東京都中央区銀座にある「弁護士法人エース様」様の施工事例です。品格と信頼感のある空間を構築しております。

ブラックのスポットライトが空間をモダンに引き締め、温かみのある木目調デスクと黒のコントラストが洗練された雰囲気を作り上げています。

まとめ

オフィス照明は、働く環境の快適さや空間の印象を左右する重要な要素です。特にオフィス移転や事務所移転のタイミングで照明を見直すことで、業務効率や働きやすさの向上が期待できます。

電球の種類や色温度、配置をエリアごとに最適化することで、空間の使い分けがしやすくなります。照明計画は専門的な判断が求められるため、早い段階で相談することが失敗を防ぐポイントです。

株式会社ブレインズ・ネットワークが運営する「事務所移転.com」では、レイアウト設計から照明計画まで、移転に関わる検討を一貫してサポートしております。施工事例や進行の流れはWebサイトよりご確認いただけます。

ブログ執筆者プロフィール

落合勝

オフィス関連業界で35年以上の現場経験を持つベテランです。 年間約100件の案件を担当し、30坪規模のオフィスから500坪クラスの大型案件まで幅広く対応してきました。 豊富な経験と専門知識をもとに、移転・施工完了までスケジュール通りに進行させるサポート力には自信があります。 安心してお任せいただける体制で、最適なオフィスづくりをご提案いたします。

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