サテライトオフィスとは? 簡単に分かる仕組みと導入メリット

近年、働き方改革やテレワークの普及を背景に、オフィスの在り方が見直されています。そこで注目されているのが、サテライトオフィスです。賃料コストの最適化やBCP対策、通勤負担の軽減などが期待される点も注目を集めている理由です。

本記事では、サテライトオフィスの概要から運用方法、導入するメリット、注意点などを解説します。

サテライトオフィスとは?

サテライトオフィスとは、企業の本社とは別に設置される小規模な勤務拠点を指します。本社を中心とし、周囲に衛星のように配置されることが名称の由来です。

単に作業場所を分散する仕組みではなく、多様な働き方を支える手段として活用される点が特徴です。通勤時間を短縮したり、業務内容に応じて働く場所を選んだりできます。こうした柔軟性は、従業員の負担軽減につながるとされています。

またサテライトオフィスは事務所移転やオフィス移転の代替策、補完策としても位置付けることが可能です。

本社機能を全て移す必要はありません。特定部門に限らず、幅広い従業員が利用するケースもあります。都市部、郊外、地方など、立地の選択肢が広い点も特徴です。

サテライトオフィスと支社の違い

サテライトオフィスは、本社以外の拠点という点で支社や支店と混同されがちです。しかし、目的や性質は異なります。支社・支店・営業所は、事業拡大や営業活動を目的とした組織拠点です。一定の組織機能や決裁権を持つ場合が多く、所属命令や納税義務が発生するケースもあります。

一方、サテライトオフィスは働き方を支援するための就業場所です。設備は必要最小限とし、業務効率や利便性を重視します。利用は従業員の任意である点も特徴です。

両者は「組織拠点」か「就業場所」かという視点で整理が可能です。管理や運営コスト、担う役割も異なります。なお、支社とサテライトオフィスを併用する企業もあります。重要なのは、どちらが優れているかではなく、目的に応じて使い分けることです。

サテライトオフィスの3つの形式

サテライトオフィスは、一つの形にまとめて語れるものではありません。設置するエリアによって、期待される役割や効果が異なります。

本章では、都市型・郊外型・地方型の3つに分けて整理します。自社の課題や目的に応じて、どの形式が適しているかを考える視点が重要です。

1. 都市型サテライトオフィス

都市型サテライトオフィスは、都心部や主要駅の周辺に設置される形式です。外出の多い業務を支える拠点として活用されるケースが目立ちます。

外回り営業や出張時の合間に作業ができるため、本社へ戻る必要がありません。移動時間を抑えやすく、業務効率の向上が期待されます。商談前後の短時間利用や、資料作成の場としても活用しやすいでしょう。

また地方に本社を置く企業が、都市部との接点を持つ足掛かりとして導入する例もあります。コワーキングスペース型やシェアオフィス型との相性が良い点も特徴です。
営業職に限らず、外出や移動が発生しやすい業務全般で検討される形式といえます。

2. 郊外型サテライトオフィス

郊外型サテライトオフィスは、ベッドタウンや住宅街の近くに設けられる形式です。従業員の通勤負担を軽減する目的で導入されることが多くあります。

自宅近くに就業場所を確保できるため、長距離通勤による身体的、精神的な負荷を抑えやすくなります。職住近接が実現し、日々の移動にかかる時間を有効に使える点が特徴です。

育児や介護と仕事を両立したい従業員にとっても、選択肢が広がります。フルリモートが難しい業務における代替手段として位置付けられるケースもあります。

結果として、定着率の向上や離職防止につながる可能性がある点も見逃せません。

3. 地方型サテライトオフィス

地方型サテライトオフィスは、本社から離れた地方や遠隔地に設置される形式です。人材戦略やリスク分散の観点から注目されています。

地方在住の人材を確保、活用しやすくなる点が大きな特徴です。自然環境を生かした働き方を取り入れることで、働く環境の選択肢を広げる企業もあります。

また拠点を分散することで、BCPの観点からリスク分散が図れます。災害時に本社機能が停止した場合でも、業務継続の余地を残せる点は重要です。

地方創生や自治体の誘致制度と連動するケースもありますが、地域貢献を目的化せず、企業側と地域側の双方にとって現実的な形を検討することが求められます。

サテライトオフィスの2つの運用形態

サテライトオフィスは、立地だけではなく運用形態によっても分類できます。主な形は「専用型」と「共用型」の2つです。

利用方法や管理の考え方が異なるため、企業規模や目的、コストやセキュリティ方針を踏まえて選択する必要があります。

1. 専用型サテライトオフィス

専用型サテライトオフィスは、自社または自社グループの従業員のみが利用する施設です。利用者を限定できるため、秘匿性やセキュリティを確保しやすい点が特徴とされています。

レイアウトやIT環境を自社基準に合わせて整備できる点もメリットです。ネットワーク構成や入退室管理などを統一しやすく、機密情報を扱う部門や業種では安心感につながります。本社機能の一部を補完する拠点として位置付けられるケースもあります。

一方で、設備投資や日常的な運営管理には一定のコストと手間がかかります。そのため、短期利用よりも長期的な活用を前提とする企業に向いている形態といえるでしょう。

2. 共用型サテライトオフィス

共用型サテライトオフィスは、複数の企業や個人が同じ空間を共有して利用する形態です。シェアオフィスやコワーキングスペースが該当します。

初期投資を抑えて導入しやすく、契約形態も月額や時間単位など柔軟です。短期間の利用や試験導入として活用しやすい点が特徴といえます。拠点数を増やしやすく、段階的に運用を広げたい場合にも適しています。

ただし、他者と空間を共有するため、情報管理や利用ルールの整備は欠かせません。個室の活用や社内ガイドラインを設けるなど、運用面での工夫が重要になります。専用型と比較しながら、自社に合った使い方を検討することが大切です。

サテライトオフィスを導入する主なメリット

サテライトオフィスの導入は、特定の課題だけではなく、経営や組織運営を多方面から支える施策とされています。

コスト、人材、働き方、リスク対策など複数の観点があり、目的に応じて重視点は異なります。ここでは代表的なメリットを見ていきましょう。

事務所・オフィス移転のコストを最適化できる

都市部に本社を構える企業では、高額な賃料が経営負担になりやすい傾向があります。
サテライトオフィスを併用することで、本社の規模を見直し、郊外や地方へ拠点を分散させる選択肢が生まれます。

結果として、総賃料コストを抑えることが可能です。

事務所移転の際には、工事期間中の仮オフィスとして活用されるケースも少なくありません。移転後も分散型拠点として運用すれば、柔軟なオフィス戦略につながります。

また固定費を抑え、状況に応じて使い方を調整できる点も特徴です。ただし、立地や規模、運用方法によって効果は異なります。短期と中長期の両面で検討する姿勢が重要です。

人材の確保と離職防止につながる

育児や介護、配偶者の転勤など、働き方に制約を抱える従業員は少なくありません。サテライトオフィスは、自宅近くや地方で働ける選択肢を提供できます。こうした環境は、優秀な人材の離職を防ぐ一助になるとされています。

またUターンやIターンを希望する人材を採用しやすくなる点も特徴です。採用エリアを広げられることで、人材確保の幅が広がります。

フルリモートが難しい業務でも、代替策として機能します。人材の多様化は組織の持続性にも関わります。選択肢を増やす施策として位置付けることが大切です。

従業員の生産性向上とエンゲージメントの強化につながる

通勤時間の短縮や満員電車の回避は、従業員の負担軽減につながります。身体的・精神的ストレスが下がることで、働きやすさを感じやすくなります。

浮いた時間を業務や自己研鑽、家庭に充てられる点も特徴です。集中しやすい環境を選べることは、仕事への向き合い方に影響を与えます。

こうした変化は、エンゲージメントの向上に寄与すると考えられています。従業員満足度の高まりは、結果として組織パフォーマンスに影響する可能性があります。数値を断定せず、一般的な傾向として捉える視点が重要です。

BCP(事業継続計画)対策になる

本社機能を一カ所に集約する体制では、災害時のリスクが高まります。地震や台風、感染症などにより、本社が被災すると業務が停止する恐れがあります。

サテライトオフィスを設けることで、拠点を分散することが可能です。バックアップ体制を構築しやすくなり、業務継続や早期復旧に寄与します。

クラウドを活用したIT環境とも相性が良い点も特徴です。ただし、完全にリスクを防げるわけではありません。BCP対策の一つとして、現実的に組み込む視点が求められます。

サテライトオフィスを導入する際の課題・注意点

サテライトオフィスは多くのメリットが期待される一方、導入や運用に当たって検討すべきポイントもあります。事前に課題を把握しておくことで、運用後のギャップを減らせます。

本章では代表的な注意点を見ていきましょう。

セキュリティのリスクがある

サテライトオフィス、特に共用型では情報セキュリティへの配慮が欠かせません。周囲に他社利用者がいる環境では、画面の覗き見や会話内容の漏えいが起こる可能性があります。

また公衆Wi-Fiの利用は情報流出リスクを高める要因です。そのため、業務内容に応じた対策が必要になります。

例えば、個室ブースやフォンブースを活用すれば、視線や音を遮れます。VPNやセキュリティソフトの導入も有効な手段です。加えて、利用ルールやガイドラインを整備することで、リスク管理がしやすくなります。

過度に不安視する必要はありません。対策を前提に設計・運用することで、管理可能な課題として整理できます。

コミュニケーションの希薄化が懸念される

拠点が分散すると、対面でのやり取りが減りやすくなります。その結果、情報共有の遅れや認識のズレが生じる可能性があります。

人によっては孤立感を覚えるケースも考えられます。ただし、工夫次第で補完できる課題です。Web会議やチャットツールを活用すれば、日常的な連絡は維持できます。定期的なオンラインミーティングや、必要に応じたオフラインの集まりも有効です。

重要なのは、意識的に情報共有の仕組みを設計することです。場所に依存しないコミュニケーション体制を整えることで、課題は軽減できます。

勤怠管理と人事評価が難しくなる

サテライトオフィスでは、上司が部下の業務状況を直接把握しにくくなります。そのため、成果だけに評価が偏りやすい点は注意が必要です。

また勤怠や進捗管理が複雑になる傾向もあります。従来の管理方法では対応しきれない場合もあるでしょう。この課題には、勤怠管理ツールや業務管理ツールの活用が有効です。併せて、成果だけではなく業務プロセスも評価対象に含める視点が求められます。

評価基準を明確にし、事前に共有することも重要です。制度設計次第で対応できる課題として捉えることが大切です。

まとめ

サテライトオフィスは、単なる遠隔の作業場所ではありません。従業員の生活の質を支えながら、企業の柔軟性や強靭性を高める施策といえます。

本社一極集中から拠点分散型へと発想を転換することで、働き方やオフィス戦略の選択肢が広がります。都市型・郊外型・地方型、さらに専用型・共用型を組み合わせる考え方が重要です。

オフィス移転や事務所移転を検討する際には、こうした選択肢を踏まえた設計が求められます。企業の課題や成長フェーズに応じて、最適な形を検討する視点が欠かせません。

株式会社ブレインズ・ネットワークが運営する「事務所移転.com」では、オフィス移転や事務所移転に関する専門的なサポートを行っています。サテライトオフィスを含めた柔軟なオフィス設計についてもご相談を承っておりますので、Webサイトより施工事例やスケジュール例をご覧になってみてください。

ブログ執筆者プロフィール

落合勝

オフィス関連業界で35年以上の現場経験を持つベテランです。 年間約100件の案件を担当し、30坪規模のオフィスから500坪クラスの大型案件まで幅広く対応してきました。 豊富な経験と専門知識をもとに、移転・施工完了までスケジュール通りに進行させるサポート力には自信があります。 安心してお任せいただける体制で、最適なオフィスづくりをご提案いたします。

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