スケルトン天井完全ガイドとは? 事務所移転で選ばれる理由や費用、施工の流れを徹底解説

近年、オフィス移転や改装を機に、従来の画一的な内装から脱却しようとする企業が増えています。働き方や価値観の変化に伴い、オフィスには業務効率だけではなく、企業らしさや空間の質が求められるようになりました。

その中で注目されているのが、構造体や設備をあえて見せる「スケルトン天井」です。特にクリエイティブ業界やIT企業、スタートアップを中心に採用が広がっています。

本記事では、スケルトン天井の基本的な考え方から、事務所移転時に選ばれる理由、導入時の注意点や費用、施工の流れまでを整理します。オフィス移転を検討する際の判断材料として、ぜひ参考にしてください。

スケルトン天井とは?

スケルトン天井とは、石膏ボードやクロスといった仕上げ材を撤去し、建物の構造体や設備を意図的に露出させる天井仕上げの手法です。建築用語でいう「スケルトン」は、骨格や構造体を意味します。

一般的なオフィス天井では、配管やダクト、電気配線などを天井裏に隠します。一方、スケルトン天井では、スラブや梁、設備類をそのまま見せることで空間を構成するのが特徴です。

もともとはカフェやアパレル店舗、スタジオなどの商業空間で多く採用されてきました。近年は、開放感やデザイン性を重視する流れの中で、オフィス空間にも広がっています。見た目の印象だけではなく、空間の感じ方や働き方にも影響を与える要素として注目されています。

スケルトン天井がオフィス移転時に選ばれる理由

オフィス移転は、内装や空間のあり方を一から見直せる貴重な機会です。働き方や企業の方向性に合った環境へ刷新したいと考える企業も少なくないでしょう。

その中でスケルトン天井は、デザイン性だけではなく、空間活用や企業戦略の観点からも評価されています。以下で詳しい理由を解説していきます。

開放感が出て空間が広く見える

スケルトン天井が選ばれる理由の一つが、空間の開放感です。一般的なオフィスの天井高の場合、天井裏に配管やダクトを隠す構造が多く、視覚的に圧迫感を覚えることもあります。

スケルトン天井では、天井裏の空間を露出させるため、実際の天井高が高くなる傾向があります。これにより、視線が上に抜け、空間全体が広く見えやすくなるでしょう。

垂直方向の広がりは、床面積が限られたオフィスでも心理的なゆとりを生みます。圧迫感が軽減されることで、執務中のストレスが和らぐ効果も期待できるでしょう。

独創性のある空間になる

天井高や空間の開放性は、人の思考に影響を与える要素の一つです。開放的な空間では、注意が分散しやすくなり、発想が広がりやすいといわれています。

そのため、企画職やデザイナー、エンジニアなど、創造性が求められる職種とスケルトン天井は相性が良いといえるでしょう。画一的な内装ではなく、構造体や設備を生かした空間は、企業独自の雰囲気を生み出します。

ここでいう独創性は、奇抜さを指すものではありません。素材や構成を工夫し、自社らしさを表現することが重要です。結果として、スケルトン天井は生産性向上を見据えた設備投資の一環として捉えられる場合もあります。

企業ブランドと採用競争力の強化ができる

オフィスは、企業の文化や価値観を伝える「顔」です。来客が最初に目にする空間の印象は、企業イメージに少なからず影響を与えます。

スケルトン天井のオフィスは、先進的で柔軟、洗練された印象を与えやすい傾向があります。

また働く環境を重視する求職者が増える中、オフィスの雰囲気は採用活動においても重要な要素です。採用ページやSNSで空間を発信しやすい点もメリットといえるでしょう。環境整備そのものが、企業価値の一部として評価されるケースが増えています。

スケルトン天井を選ぶリスクと対策

スケルトン天井には多くの魅力がある一方で、導入に当たって考慮すべきリスクや課題も存在します。

事前に課題を把握し、設計段階から対策を講じることで、移転後の満足度は大きく変わります。メリットとデメリットを踏まえた上で、冷静に判断する姿勢が重要です。

空調効率の低下と対策

スケルトン天井では天井高が上がるため、空間全体の体積が大きくなります。その結果、冷暖房の効率が下がりやすい傾向があります。特に暖かい空気は上部に滞留しやすく、冬場に足元の冷えを感じるケースもあるでしょう。

こうした影響は、オフィスの広さや在籍人数、利用状況によって異なります。必ずしも全ての環境で問題になるわけではありませんが、設計段階での配慮が欠かせません。

対策としては、以下のような方法が考えられます。

● シーリングファンを設置し、空気を循環させる
● 窓ガラスに遮熱・断熱対策を施す
● 断熱材や空調計画を見直す

これらを組み合わせることで、快適性と運用コストのバランスを取りやすくなります。

音響環境(反響音)への配慮

一般的なオフィス天井には、音を吸収する素材が使われています。一方、スケルトン天井ではコンクリートが露出するため、音が反響しやすくなるのが難点です。

Web会議や電話対応が多いオフィスでは、話し声やキーボード音が広がりやすく、集中力を妨げる要因になる場合があります。業種や働き方によって、影響の度合いは変わります。

デザイン性と快適性を両立させるためには、音への対策が重要です。具体的には、次のような方法があります。

● 吸音パネルを壁や天井付近に設置する
● カーペットなど吸音性のある床材を採用する
● ローパーテーションで空間を緩やかに区切る

防音と吸音は役割が異なります。音を完全に遮断するのではなく、反響を抑える視点が求められるでしょう。

照明計画の最適化

スケルトン天井では、天井が高くなることで照明器具と机上面の距離が離れます。そのため、手元が暗く感じやすくなる点に注意が必要です。

また一般的な埋め込み型照明が使えないため、照明の設置方法にも制約が生じます。単に明るさを確保するだけではなく、光の質や配置を考えることが重要です。

対策としては、以下が挙げられます。

● ライティングレールとスポットライトを活用する
● ペンダントライトで必要な明るさを補う
● ゾーニングに合わせて照明を使い分ける

デザイン性に偏り過ぎず、実務に必要な照度を前提に計画することが大切です。専門家と連携しながら検討すると、失敗を防ぎやすくなります。

スケルトン天井の導入にかかる費用の内訳

スケルトン天井の導入では、通常の内装工事とは異なる費用構造になる点を理解しておく必要があります。見た目はシンプルでも、実際の工事内容は複雑になりやすい傾向です。

初期費用だけではなく、将来的に発生する可能性のある費用も含めて検討することが重要です。あらかじめ内訳を把握しておくことで、判断材料が増え、計画の精度が高まります。

初期工事費用

スケルトン天井は、天井を剥がすだけの工事ではありません。解体後に設備や構造体が露出するため、見た目や安全性を整える工程が必要になります。その結果、坪単価で数万円単位の追加コストが発生するケースも見られます。

主な工事項目は次の通りです。

● 解体・撤去費:既存の天井材を取り外す
● 整線・移設費:露出する配線やダクトを整理し、火災報知器やスプリンクラーなどの防災設備を適切な位置に移設する
● 塗装工事費:コンクリートや配管を塗装し、空間全体の質感を整える

仕上がりの印象は、整線や塗装の品質に左右されます。なお、費用は建物条件や設計内容によって変動するため、あくまで目安として捉えることが大切です。

退去時の原状回復費用

賃貸オフィスでは、退去時に原状回復義務が発生する契約が一般的です。原状回復とは、入居時の状態に戻して返却することを指します。

入居時にスケルトン天井へ変更した場合、退去時には天井を再施工する必要が生じる可能性があります。この費用は初期検討段階では見落とされやすい点です。

ただし、原状回復の範囲や条件は契約内容によって異なります。物件によっては特約が設けられている場合もあります。短期利用か長期利用かによっても、判断は変わるでしょう。

初期費用だけではなく、退去時のコストも含めた長期的な視点で予算計画を立てることが重要です。そのためにも、事前に契約内容を確認しておく必要があります。

スケルトン天井の施工の流れと注意点

スケルトン天井の導入は、デザインだけで完結するものではありません。建物の構造や各種規制など、施工前に確認すべき要素が複数あります。

物理的な条件と法的な条件の両面を整理しておくことが、工事の可否やコストに直結します。思いつきで進めるのではなく、事前確認を前提に検討する姿勢が重要です。

ここからは、スケルトン天井の施工の流れ・注意点を見ていきましょう。

管理会社・オーナーと事前に協議する

スケルトン天井は、全てのオフィス物件で実施できるわけではありません。建物の構造上の理由から、天井の解体自体が制限されているケースもあります。

また工事に伴う騒音や振動が、他のテナントへ影響する可能性も考慮が必要です。多くのビルでは、内装に関する規定や管理規約が定められています。

そのため、物件選定の段階で管理会社やオーナーに確認することが欠かせません。承諾の有無は、工事内容やスケジュール、費用計画に大きく影響します。

実務上は、口頭だけではなく書面での確認や合意を取っておくと安心です。後から交渉すれば対応できるとは限らないため、初期段階での協議が重要になります。

消防法・建築基準法について確認する

スケルトン天井にすることで、排煙設備や防火区画の考え方が変わる場合があります。これらは消防法や建築基準法に関わる項目です。

基準を満たさない場合、工事自体が認められないケースもあります。特に築年数が古い建物では、既存不適格となる部分が影響する可能性があります。

また天井裏の解体時にアスベストが見つかるリスクもゼロではありません。この場合、調査や届出、追加対応が必要になることがあります。

法令の詳細を自社だけで判断するのは難しいため、設計会社や施工会社など専門家と連携しながら進めることが重要です。

コンクリートの状態を確認する

スケルトン天井では、天井を解体するまでコンクリートの状態を正確に把握できません。解体後に、劣化や汚れ、クラックが見つかる可能性があります。

状態が想定より悪い場合、補修や追加の塗装工事が必要になることもあります。築年数が古い建物ほど、こうしたリスクは高まるのが一般的です。

仕上がりの印象は、コンクリートの補修や塗装の品質に左右されます。そのため、見た目だけではなく下地の状態確認も重要なポイントです。

必ず問題が発生するわけではありませんが、追加工事が発生する可能性を見込んだ予備費を設定しておくと安心です。余裕を持った予算設計が、結果的に満足度を高めます。

スケルトン天井を際立たせる素材選びとデザイン

スケルトン天井は、構造を露出させるだけで完成するものではありません。どの素材を組み合わせるかによって、空間の印象は大きく変わります。

天井単体ではなく、床・壁・家具まで含めた統一感が重要です。素材選びは、オフィス全体の洗練度を左右する要素といえるでしょう。

ステンレス・アイアン

ステンレスやアイアンは、コンクリートとの相性が良い素材です。無機質な質感同士が調和し、スタイリッシュで引き締まった印象をつくります。

特にインダストリアルな雰囲気を重視する場合、配管や照明器具、家具のフレームまで素材をそろえると統一感が出ます。IT企業やスタートアップなど、先進性を打ち出したいオフィスとも親和性があります。

仕上げによって表情が変わる点も特徴です。マット仕上げやブラック塗装を選ぶことで、落ち着いた印象にも調整できます。一方で、使い過ぎると冷たい印象になりやすいため注意が必要です。

手触りや角の処理など、安全性への配慮も欠かせません。デザイン性と実用性のバランスを意識した取り入れ方が求められます。

木材

木材は、スケルトン天井の無機質さを和らげる素材です。鉄やコンクリートの冷たい印象を中和し、空間に温かみや柔らかさを加えます。

中でもルーバー天井は、デザイン性と機能性を両立しやすい手法です。視線を程よく遮りながら、音を拡散させる効果も期待できます。落ち着いた企業イメージや、ナチュラルな雰囲気を重視する場合に適しています。

全面に使うのではなく、会議室や共用部など部分的に取り入れる方法も有効です。ポイント使いにすることで、スケルトン天井の開放感を損なわずに済みます。

なお、木材はメンテナンスやコスト面も考慮が必要です。多用し過ぎると、スケルトン天井の良さが薄れる点にも注意しましょう。

グリーン(植栽)

スケルトン天井とグリーンの組み合わせは、無骨な構造体と自然要素の対比が際立つデザインです。

植栽には、リラックス効果やストレス軽減が期待できるとされています。自然を取り入れる考え方は、オフィス環境づくりでも注目されています。

ハンギンググリーンや壁面緑化など、配置方法によって印象は大きく変わります。ワークスペースだけではなく、リフレッシュスペースとの相性も良好です。採用ブランディングの観点からも、写真映えする要素になります。

ただし、植栽には管理やメンテナンスが必要です。置けば終わりではなく、運用体制を含めて計画することが重要になります。

【事務所移転.com】のスケルトン天井のあるオフィス施工事例

ここでは、株式会社ブレインズ・ネットワークが運営する「事務所移転.com」が手掛けた、スケルトン天井を採用したオフィスの施工事例をご紹介します。

【株式会社ユナイテッドパフォーマーズスタジオ様】レッスンスタジオ兼事務所設置の施工事例

本事例は、新宿区にあるレッスンスタジオ兼事務所の内装施工です。スタジオとしての開放感と、事務所としての機能性を両立するため、スケルトン天井を採用しました。

天井をスケルトン化することで、限られた床面積でも高さを確保でき、動きのあるレッスンに適した伸びやかな空間を実現しています。一方で、事務所エリアでは、照明配置や素材選定を工夫し、集中しやすい環境が整えられています。

スタジオと事務所が同一空間に存在するため、用途に応じたゾーニングが重要でした。天井の構造や配管を生かしつつ、空間の切り替えを意識した設計が特徴です。

写真を見る際は、天井の高さ感や素材の使い分け、空間構成に注目すると、設計意図がより分かりやすくなります。

詳しい情報はこちらをご確認ください。

まとめ

スケルトン天井は、オフィスに開放感をもたらし、社員のモチベーション向上や企業ブランディングに寄与する有効な手法です。一方で、空調効率やコスト、法規制など、現実的な条件への配慮が欠かせません。

成功の鍵となるのは、検討の初期段階から専門知識を持つ設計・施工のプロと連携し、物件特性や働き方に合った計画を立てることです。なお、費用の目安や法的解釈は物件や時期によって異なるため、個別案件ごとに専門家へ確認することをおすすめします。

株式会社ブレインズ・ネットワークが運営する「事務所移転.com」では、オフィス移転から内装・設計までをトータルで対応いたします。具体的な事例や施工事例やスケジュールはWebサイトからご確認いただけるので、ご不明点がございましたらお気軽にお問い合わせください。

ブログ執筆者プロフィール

落合勝

オフィス関連業界で35年以上の現場経験を持つベテランです。 年間約100件の案件を担当し、30坪規模のオフィスから500坪クラスの大型案件まで幅広く対応してきました。 豊富な経験と専門知識をもとに、移転・施工完了までスケジュール通りに進行させるサポート力には自信があります。 安心してお任せいただける体制で、最適なオフィスづくりをご提案いたします。

関連記事

お見積もり依頼・
お問い合わせはこちらから

関東エリア、関西エリア、九州エリアをはじめ
全国対応いたします。
お見積もりは無料です。ご質問・ご相談もお気軽に!
移転のことなら何でもお任せください!

0120-816-935

受付時間 9:00〜18:00(土日祝除く)

ページトップに戻る

0120-816-935 電話する

受付時間 9:00〜18:00(土日祝除く)