オフィスグリーンの効果と導入方法|メリット・配置方法から移転時の事例もご紹介!

オフィス移転やリニューアルの際に、働きやすい空間づくりの一環として「オフィスグリーン(オフィス緑化)」が注目されています。観葉植物や自然素材を取り入れることで、心身のリフレッシュや生産性向上につながる効果が期待されているためです。

本記事では、オフィスグリーンの効果から導入のメリット、具体的な方法、移転時に気を付けたいポイントまでを総合的に解説します。移転計画の質を高めたい方は、ぜひ参考にしてください。

オフィスグリーンとは? 注目される理由

オフィスグリーンとは、観葉植物や自然素材をオフィス空間に取り入れて、働きやすい環境を整える取り組みです。視覚的な癒しや空気環境の改善が期待できることから、多くの企業で導入が進んでいます。特に近年は、自然と触れ合うことで心身が整いやすくなる「バイオフィリア」という考え方が注目されており、オフィスづくりにも取り入れられるようになりました。

この流れを受けて誕生したのが、自然をデザインに組み込む「バイオフィリックデザイン」です。植物や木材、石材などの自然素材を使うことで、社員の心理的安全性や快適性が向上するとされています。海外企業では、植物をふんだんに配置したオフィスが働きやすさの象徴となっており、企業価値向上の一つの要素として扱われています。

感染症拡大以降は、働く場所に求められる価値観が変化し、ウェルビーイングの重視やストレス軽減がオフィスづくりの重要テーマとなりました。従来の無機質なオフィス環境に比べ、グリーンを取り入れた空間は心理的な安心感を与えやすく、社員が前向きに働ける環境づくりに役立ちます。

オフィスグリーンを導入するメリット

ここからは、オフィスグリーンを企業で取り入れるメリットをご紹介します。

心と体へのリラックス効果とストレス緩和

オフィスグリーンが注目される大きな理由の一つが、心身へのリラックス効果です。自然要素を取り入れた空間では幸福感が向上するといわれており、植物の存在が心理面に良い影響を与えることが分かっています。視覚疲労に関しても、長時間のパソコン作業に伴う負担を和らげる効果が期待できます。

その背景には、人が緑を見ると心拍が落ち着き、集中力が回復しやすくなるという特性があります。葉の揺れや自然光との組み合わせ、場合によっては香りや水音などの自然要素を取り入れることで、より深いリラックスにつながるのです。

生産性と創造性の向上

オフィスグリーンは、生産性や創造性の向上にも関係するといわれています。自然要素のあるオフィスでは、生産性が向上したという報告があり、視覚的な癒しが集中力の維持につながる傾向があります。また自然のある職場では創造性が高いともいわれており、発想力を高めたい企業にとって注目すべきポイントです。

植物がもたらすリラックス効果は、思考に余白を生み、アイデアが浮かびやすい状態をつくります。特に若い世代では、自然のあるスペースで「仕事がはかどる」と感じる傾向が強く、働き方の多様化にも相性が良いといえます。

海外企業ではGoogleやAmazonなどが早くから自然を取り入れたオフィスづくりを進めており、集中ブースや会議室にも植物を置く工夫が見られます。IT企業やクリエイティブ職種の現場でも導入が広がっており、柔軟な発想を求められる業務との親和性が高い取り組みです。

空気環境の快適性向上

オフィスグリーンは、空気環境の改善にも寄与するといわれています。植物には空気中の有害物質を吸着・分解する作用があり、ホルムアルデヒドやVOCを取り込むことで室内の空気が整いやすくなります。またNASAの研究でも、植物が空気浄化に役立つ可能性が示されており、オフィスでも快適性向上が期待されているのです。

植物は水分を放出するため、エアコンで乾燥しやすい環境でも自然な湿度維持に役立ちます。特に冬場は乾燥による喉の不快感や肌荒れを防ぎやすく、快適な作業環境づくりにつながります。品種によって効果が異なり、サンスベリアやポトス、ドラセナなどは比較的空気浄化に寄与しやすいとされています。

本物の植物ならではの自然な湿度調整や空気質改善は、働く人にとって負担の少ない環境づくりに役立つといえるでしょう。

企業イメージの向上と社内外へのアピール

グリーンを取り入れたオフィスは、来客に良い印象を与える傾向があります。花や緑が「おもてなしになる」と感じる人が多く「イメージアップにつながる」とも報告されています。清潔感や温かみのある空間は、企業の信頼性や姿勢を視覚的に伝える手段にもなるでしょう。

またグリーンを活用したオフィスづくりは「環境に配慮している企業」という印象を与えやすく、採用活動や広報活動にもプラスに働きます。SDGsやESG投資の観点でも、自然を取り入れた空間は評価されやすい傾向があります。

職場環境の魅力はSNSや採用サイトでも訴求しやすく、若手求職者にとって企業選びの指標になりやすい点も特徴です。オフィスグリーンは企業イメージを高める取り組みとして、多方面に好影響をもたらす可能性があります。

社内コミュニケーションの活性化

オフィスグリーンは、職場のコミュニケーション活性化にも寄与する傾向があります。また花や緑を飾っている職場では、そうでない職場に比べてコミュニケーションが活性化したと感じる割合が多いともいわれています。

植物がある空間は心理的な緊張が和らぎ、自然な会話が生まれやすい環境をつくることが可能です。休憩スペースに緑があることで「話しかけやすさ」が生まれ、世代間の交流にもつながりやすくなります。また植物の手入れを通じた雑談が生まれるなど、自然発生的なつながりを生みやすい点も特徴です。

こうした積み重ねが、職場の雰囲気づくりや定着率の向上にも寄与するといわれています。

オフィスグリーンの種類:本物の植物とフェイクグリーン

オフィスグリーンは、大きく「本物の植物」と「フェイクグリーン」の2種類に分けられます。以下で詳しく解説していきます。

本物の植物(観葉植物)

本物の植物は生きている観葉植物を指し、成長や季節による変化を楽しめる点が特徴です。視覚的な癒しやストレス緩和、視覚疲労の軽減などの効果は、本物の植物でこそ得られるといわれています。また植物が空気中の水分を放出するため、湿度調整や空気浄化が期待でき、快適な作業環境づくりにつながります。

一方で、水やりや葉のお手入れ、枯れ葉の処理など、日々の維持管理が必要です。光や温度、湿度など環境条件に左右されやすく、品種によって育てやすさも異なります。病害虫が発生する可能性もあるため、ビルによっては本物の植物を制限している場合もあります。

このようなときはプロによるメンテナンスサービスを利用すれば、管理の負担軽減が可能です。

フェイクグリーン(人工観葉植物)

フェイクグリーンは、本物の植物に近い見た目を再現した人工の観葉植物です。水やりや葉のお手入れが不要で、ほこりを払う程度で済むため、管理の負担が少ない点が大きな特徴です。光や湿度の影響を受けないため、窓がないスペースや温度差が大きいエリアでも設置しやすく、オフィス全体で使い分けやすい種類といえます。

ただし、本物の植物が持つ香りや空気浄化、湿度調整といった効果は再現されません。長期間使用すると、紫外線や湿気によって色あせや素材の劣化が生じる可能性があります。多くはプラスチック製のため、廃棄時の環境負荷にも配慮が必要です。

一方で、形状が崩れにくく、美観を保ちやすい点は大きなメリットです。壁面パネル型や卓上タイプなど種類が豊富で、エコ素材を利用した製品も増えています。ビルの規約により本物の植物が置けない場合は、代替策として有効な選択肢になります。

オフィスグリーン導入の具体的な方法

オフィスグリーンを導入する際は、空間デザインと調和させる視点が欠かせません。ここで紹介する手法を踏まえ、自社に合ったアプローチを考えてみましょう。

1. 鉢植えを飾る

鉢植えは、比較的導入しやすいオフィスグリーンの方法です。小型の鉢はデスク周りや休憩スペースに配置しやすく、大型の植物はエントランスや会議室に置くと空間の雰囲気が大きく変わります。種類が豊富で、パキラ・ポトス・サンスベリアなど育てやすい植物も多いため、初めてでも取り入れやすい点が魅力です。

鉢カバーの素材を変えるだけでも印象が変わるため、空間デザインに合わせて調整できます。プロのメンテナンスを利用すれば管理の負担も抑えられます。ただし、光量や温度、動線を考慮せずに置くと枯れやすく、通行の妨げにもなるため注意が必要です。

2. 上から吊るす

ハンギングプランターを使った吊るす緑化は、空間を立体的に活用できる方法です。床を占有しないため、スペースが限られているオフィスにも導入しやすく、視界の上部に緑が入ることで開放感と柔らかな印象を与えます。

ロープやワイヤー、天井レールなど設置方法はさまざまで、軽量の植物やフェイクグリーンを組み合わせれば手軽に実現できます。ただし、安全面の確認は必須です。耐荷重の確認や落下防止策、ビル規約・消防法への配慮を行い、安心して使えるよう整えておきましょう。

3. 間仕切りと組み合わせて使う

植栽パーティションを活用すると、グリーンを取り入れながら自然なゾーニングを実現できます。木目調やアイアンなどデザインの幅が広く、カフェのような雰囲気をつくれる点も魅力です。着座時は視線を柔らかく遮り、立位では圧迫感が出にくいため、ワークスペースとコミュニケーションエリアを区切る際にも役立ちます。

また植物の配置によって音の反響を抑えられるケースもあります。ただし、動線をふさがないよう配置し、高さや量のバランスを調整しなければなりません。避難経路への影響にも注意しながら導入しましょう。

4. 壁に飾る

壁面緑化やウォールグリーンは、視覚的な効果が大きく、空間の印象を大きく変える導入方法です。壁の一部あるいは全面をグリーンで装飾することで、無機質になりがちなオフィスが明るくなり、ブランドイメージ演出にもつながります。

パネル式やフレーム式、苔を使ったモスアートなど種類も豊富で、会議室やエントランスなど見せる空間で活用しやすい点が特徴です。フェイクグリーンを使えばメンテナンスも容易です。ただし、重量物を取り付ける場合は施工が必要になる場合があり、消防法に基づく素材の確認も欠かせません。

5. オフィス全体に飾る

オフィス全体を緑化する方法は、点ではなく面で配置することで一貫した世界観をつくれる点が特徴です。手の届きやすい位置には本物の植物を、管理が難しい高所にはフェイクグリーンを配置すると、維持しやすくなります。

執務・会議・休憩エリアごとに植物の種類やサイズを変えると、空間ごとの目的に合わせた演出が可能です。大型観葉植物を要所に置くとメリハリが生まれ、自然を感じられる空間が広がります。ただし、量が多過ぎると動線を妨げるため、配置バランスや管理体制を見ながら進めることが大切です。

オフィス移転・事務所移転時に考慮すべきオフィスグリーン導入のポイントと注意点

ここからは、オフィス移転・事務所移転時に知っておきたい、オフィスグリーン導入のポイントと注意点を見ていきます。

配置計画と動線設計

オフィスグリーンを効果的に導入するには、設置場所を慎重に選ぶことが重要です。植物は視覚的な癒しを生みますが、配置によっては動線を妨げたり、働く人の安全性を損ねたりする可能性があります。特に通路幅は、建築基準法で示される一般的な基準を下回らないよう確認が必要です。

また執務室・会議室・休憩スペースなど、エリアごとに最適な配置は異なります。大型の植物は転倒しやすいため、耐震対策や固定方法の検討も欠かせません。視界を必要以上に遮らず、自然に緑が感じられるレイアウトを意識すると、快適性と安全性を両立できます。インテリアとの調和も考えながら、シンプルで空間に馴染む植物を選ぶことがポイントです。

メンテナンス性とコストの考慮

導入後の運用を考えると、メンテナンスの手間やコストを事前に把握することは非常に重要です。本物の植物は種類によって水やり頻度が大きく異なり、耐暑性や耐乾燥性もさまざまです。管理の負担が大きいと生産性に影響が出るため、育てやすい品種を選びましょう。

一方、レンタルサービスを利用すればプロが管理するため負担を軽減できます。フェイクグリーンでも、ほこり取りなどの清掃コストは発生します。植栽パーティションのようなアイテムは、見た目だけではなく空間の機能向上にも価値があります。

長期的なランニングコストを比較し、自社環境ではどの選択肢が適するか検討することが大切です。品種の良し悪しは環境によって変わるため「これなら絶対安心」という選び方は避けましょう。

ビル管理会社への事前確認

オフィスグリーンを導入する際は、ビル管理会社への事前確認が欠かせません。本物の植物は水漏れや害虫発生の可能性があるため、ビルによっては持ち込みを制限している場合があります。特に大規模ビルは規約が詳細なケースが多く、設置場所の耐荷重や可燃性素材の使用可否など、細かな条件が定められていることもあります。

消防法上の規制により、避難経路に物を置けないことや、素材に制限がある点にも注意が必要です。本物が難しい場合は、フェイクグリーンで代替する選択肢もあります。

ビルごとに規約は大きく異なるため、一般論にとらわれず、必ず事前確認を行いましょう。トラブル防止と安全な運用のためにも、計画段階での確認が不可欠です。

【事務所移転.com】のオフィスグリーンを活用した施工事例

ここからは、株式会社ブレインズ・ネットワークが運営する「事務所移転.com」にて実際に行った、オフィスグリーンを活用した施工事例をご紹介します。

株式会社日本技研プロフェッショナルアーキテクト 様

Webシステム開発を手がける企業様の移転プロジェクトでは「カフェのような居心地の良いオフィス」をテーマに内装設計をご提案しました。蛍光灯をダウンライトへ変更し、天井は黒塗装で落ち着いた雰囲気にしています。

エントランスや什器にはビンテージカラーの木目を採用し、石目調の壁紙と組み合わせることで温かみのある空間を演出しています。 最大のこだわりは、造作で設けたフェイクグリーンの壁面装飾です。間接照明と合わせ、視覚的な癒しとデザイン性を両立しました。統一感を生む黄緑のアクセントカラーもポイントです。

まとめ

オフィスグリーンは、ストレス緩和や視覚疲労の軽減、生産性向上、企業イメージの向上など、多くの効果が期待できます。移転や改装は導入しやすいタイミングであり、本物とフェイクの特徴を理解し、目的に合わせて選ぶことが大切です。

また配置計画・メンテナンス・ビル規約など、複数の要素を総合的に検討することで、安全で快適なオフィスづくりが可能になります。グリーンは心理的安全性や創造性にも良い影響をもたらし、働きやすさの向上につながる点も魅力です。

株式会社ブレインズ・ネットワークが運営する事務所移転.comでは、移転計画からレイアウト設計、家具選定まで総合的にサポートしています。オフィス環境を整えたい企業様は、ぜひ一度ご相談ください。事例やスケジュール例はWebサイトからご確認いただけます。

事務所移転コラム編集部
この記事を書いた人

事務所移転コラム編集部

東京を中心にオフィス移転、事務所移転事業を展開する事務所移転.comのコラム編集部です。最新のトレンドや、役に立つ情報を中心に、幅広い情報をお届けします!

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