オフィスのロビー設計の重要性とは? 企業イメージ向上と従業員満足度への貢献
オフィスのロビーは、訪れた人が最初に触れる企業の顔です。空間の設計次第で、来訪者の安心感や信頼感が大きく変わります。社員にとっても、働く環境の質を左右する重要な場所です。
受付や案内の機能だけではなく、理念の発信や自社PR、従業員満足度の向上にもつながります。本記事では、ロビーが担う役割と、魅力的な空間を作るためのポイントを解説します。オフィス移転やリニューアルを検討する際の参考にしてください。
目次
- オフィスのロビーの重要性と役割
- 1. 来訪者の受付・案内
- 2. 企業理念やビジョンの発信
- 3. 自社商品のPR
- 4. 従業員の満足度向上
- オフィスのロビー設計のメリット
- 企業ブランディングの強化
- 社員のモチベーション向上と帰属意識の醸成
- 柔軟な空間活用
- 魅力的なオフィスのロビーを設計する際のポイント
- デザインコンセプトと統一性の確保
- 機能性・実用性の確保とセキュリティ対策
- 空間演出のためのデザインアイデア
- 照明
- グリーンの導入
- アートやオブジェによる個性演出
- 香りによる印象的な空間づくり
- 清潔感の維持
- オフィスのロビーに設置するのに推奨される家具・設備
- 快適なソファやチェア
- 多目的に使えるテーブル
- デジタルサイネージや展示スペース
- 受付システムの導入
- まとめ
オフィスのロビーの重要性と役割
ロビーは、企業の印象を左右する重要な場所です。見た目だけではなく、来訪者の信頼感や社員の働きやすさにも影響します。ここからは、ロビーの具体的な役割を紹介します。
1. 来訪者の受付・案内
ロビーは来訪者を迎える最初の場所です。受付カウンターや受付システムを設置すると、企業としての丁寧な姿勢を示せます。来訪者が迷わず担当者にたどり着けるよう、動線を分かりやすく整えることが大切です。入口から受付、会議室までの流れが自然であれば、初対面での印象もよくなります。
近年は、無人受付システムや入退室管理システムを取り入れる企業も増えています。これにより登録や受付が自動化され、担当者への連絡もスムーズになります。バリアフリー設計や多言語対応など、ユニバーサルデザインを意識すると、来訪者への配慮も伝わるでしょう。こうした工夫により、企業の信頼性向上につながる受付空間を整えられます。
2. 企業理念やビジョンの発信
ロビーは、企業の理念や世界観を伝えるための象徴的な空間でもあります。ロゴやブランドカラーを取り入れると、来訪者に一貫した企業イメージを届けられます。社員も日常的に目にするため、理念の浸透にもつながるでしょう。
デジタルサイネージや展示パネルを活用すると、企業のストーリーやサービス内容を視覚的に伝えられます。CSR活動やサステナビリティへの取り組みを紹介するなど、企業姿勢を示す工夫も効果的です。受付バックボードの素材や照明なども、世界観を形づくる要素になります。デザインに意味を持たせることで、訪問者とのコミュニケーションが自然に生まれるロビーを実現できます。
3. 自社商品のPR
ロビーは、自社商品やサービスを紹介する場としても活用できます。主力商品や新商品を展示すれば、来訪者の目に留まりやすく、PR効果が高まります。企業の強みや事業内容を視覚的に伝えられるため、初めて訪れる人にも理解が進みやすい点がメリットです。
展示方法は、デジタルサイネージや模型、サンプルなどさまざまです。季節やイベントに合わせて展示内容を更新すると、来訪者に新鮮な印象を与えられます。ロビーのスペースが限られる場合は、壁面を使ったミニギャラリーのような配置も有効です。企業イメージに合った演出を意識することで、過度な装飾に頼らず自然なPRにつなげられます。
4. 従業員の満足度向上
洗練されたロビーは、社員の満足度向上にもつながります。美しいエントランスに囲まれることで、働く場への誇りや帰属意識が高まりやすくなります。またロビーは社員同士が軽く会話する場所としても活用でき、自然な交流を促せるでしょう。
清潔で整えられた空間は、心理的安全性を感じやすい環境にもなります。来客対応をスムーズに行える点も業務の効率化につながります。こうした小さな積み重ねが、社員のポジティブな感情を引き出し、働きやすい職場づくりに寄与するのです。ロビーの質を整えることは、社員体験を豊かにする取り組みの一つといえます。
オフィスのロビー設計のメリット
ロビーを整えることで、来客対応の質が上がり、企業ブランディングにも良い影響が期待できます。ここからは、オフィスのロビーを設計する具体的なメリットを紹介します。
企業ブランディングの強化
ロビーは企業の世界観を体現できる場所です。ロゴやブランドカラーを取り入れると、訪問者と社員の双方に企業イメージを自然に伝えられます。また理念やビジョンを空間全体で表現することで、企業らしさを視覚的に示せます。
バックボードや表示サインは、世界観を象徴する要素です。デジタルサイネージを用いれば、企業ストーリーや沿革を分かりやすく紹介できます。写真や年表を展示する方法も、理念の理解を深めるきっかけになります。さらに、環境配慮素材を使用した内装は、サステナブルな姿勢を示す手段として有効です。
こうした取り組みをロビーに集約すると、ブランドの一貫性が高まり、来訪者の印象にも良い影響が期待できます。ロビーは単なる入口ではなく、企業価値を伝える重要な発信拠点です。
社員のモチベーション向上と帰属意識の醸成
居心地の良いロビーは、社員にとっても大切な場です。明るく整った空間は、気持ちを落ち着ける効果が期待できます。洗練されたデザインは「良いオフィスで働いている」という実感につながり、帰属意識を育むきっかけにもなります。
ロビーは軽いコミュニケーションが生まれやすい場所でもあります。朝の気持ちを切り替えるときや、移動の合間の雑談など、自然な交流につながるでしょう。こうした日常のやり取りは、心理的な安全性にも寄与します。
また整った環境は来客対応をスムーズにし、社員の負担を減らす効果もあります。空間の質が働きやすさに影響することを踏まえると、ロビーの設計は社員体験の向上に寄与する重要な要素です。
柔軟な空間活用
ロビーは待合スペースにとどまらず、多目的な用途に活用できます。小規模な打ち合わせやイベント、展示スペースとしても機能し、オフィス全体の面積を有効に使えます。限られた空間を最大限に生かせる点が大きなメリットです。
モジュール家具や可動パーティションを導入すると、目的に合わせてレイアウトを変えられます。セミナーや社内展示を行う例もあり、柔軟に活用しやすい環境を整えられます。リラックススペースとして配置すれば、社員同士の交流も生まれやすくなります。
ただし、全てのロビーが多用途に使えるわけではありません。消防法やビル管理規定により、設置物や使用方法が制限される場合があります。こうした点を確認しながら、ロビーの活用方法を検討することが大切です。多目的に利用できるロビーは、オフィス全体の価値を高める要素となります。
魅力的なオフィスのロビーを設計する際のポイント

ロビーの設計では、見た目の良さだけではなく、機能性や効率性も重要です。利用者の動線やセキュリティへの配慮が求められ、空間全体の体験価値にも影響します。ここでは、設計時に意識したい視点を紹介します。
デザインコンセプトと統一性の確保
ロビーの印象は、企業の世界観やブランドを伝える大切な要素です。まずは企業の価値観を明確にし、コンセプトを空間全体に反映させましょう。ロゴやシンボルを効果的に配置すると、企業らしさが自然に伝わります。コーポレートカラーを取り入れると、一貫したブランド表現にもつながります。
またエントランスから応接室や会議室まで統一感があると、訪問者の体験を向上させることも可能です。素材や照明、サイン計画をそろえると、世界観が強まり、印象にもまとまりが生まれます。デジタルサイネージや光を使った演出を取り入れる事例もあり、理念や歴史を視覚的に伝える工夫がしやすくなります。
ブランド要素を押し出し過ぎる必要はありません。企業の価値観を自然に伝える工夫が大切です。空間の一体感を持たせることで、訪問者と社員の双方に心地よい体験を提供できます。
機能性・実用性の確保とセキュリティ対策
ロビーを快適で安全に運用するには、機能性と実用性に配慮した設計が欠かせません。来訪者と従業員の動線を分けると混雑を防ぎ、案内もスムーズになります。業務エリアへの騒音を抑えるため、防音性の高い素材を使う方法も有効です。
ロビーは外部の人が出入りする空間であるため、セキュリティ強化は重要な視点です。ICカードや顔認証による入退室管理を導入すると、管理がしやすくなります。監視カメラの設置や受付からの視認性向上も、安心感を高める要素です。混雑が生じやすい時間帯を想定したレイアウトにすると、動線の乱れを防げます。
収納スペースや電源の配置、避難経路の確保といった見えない機能にも注意が必要です。車椅子利用者への配慮や、段差をなくした設計など、バリアフリーの視点も欠かせません。設備を導入すれば十分というわけではなく、デザインとのバランスを見ながら、使いやすさと安全性を両立させることが大切です。
空間演出のためのデザインアイデア
ロビーは、訪れた人の第一印象を決める重要な空間です。照明やグリーン、アート、香り、清潔感などの工夫によって、企業らしさと心地よさを両立できます。次の項目では、具体的な演出方法を紹介します。
照明
照明はロビー全体の印象を左右する要素です。自然光を多く取り入れると、明るく開放的な雰囲気になり、清潔感も高まります。人工照明では、間接照明やデザイン照明を組み合わせることで、高級感や温かみを演出できます。色温度によって印象が変わるため、昼光色はシャープさを、昼白色は自然を、電球色は落ち着きを感じられるでしょう。
受付のバックボードをライトアップすると、ブランドをさりげなく強調できます。LED照明を採用すると、省エネ性が高く、明るさ調整もしやすくなります。床や壁に反射率の高い素材を使うと、光が広がりやすくなり、柔らかな雰囲気を作れるでしょう。眩し過ぎる照明や影が強く出る配置は避け、バランスの取れた計画が大切です。
グリーンの導入
観葉植物や壁面緑化は、ロビーに自然のやすらぎをもたらします。植物にはリラックス効果があり、来訪者にも社員にも好印象を与えます。大型グリーンを配置すると空間に奥行きが生まれ、壁面緑化は空間全体を柔らかく見せる効果もあります。
生花は華やかで季節感を出せますが、メンテナンスの手間があるのが難点です。人工樹木は管理しやすく、一定の効果を得られます。また植物には乾燥対策や消臭、音の吸収といった副次的なメリットもあります。企業カラーと調和する植物を選ぶと、全体のまとまりが生まれるでしょう。
選定時はアレルギーや虫対策、光量への配慮が必要です。パキラやフィカス類など、オフィス向きの無難な種類がおすすめです。置き場所を工夫することで、落ち着いた雰囲気と自然の温かみを感じる空間を作れます。
アートやオブジェによる個性演出
絵画や彫刻、写真、オブジェなどを取り入れると、ロビーに個性と深みを加えられます。作品の雰囲気によって、モダン、上品、落ち着きなど空間の印象が大きく変わります。企業の感性や価値観を表現する手段としても有効です。
地域アーティストとのコラボ展示や、自社の歴史をテーマにした写真を掲示する方法もあります。照明と組み合わせると作品の魅力が引き立ち、来訪者の目を自然に引き寄せます。季節やキャンペーンに合わせて展示を入れ替えると、訪れるたびに新鮮な印象を与えられます。
高価な作品である必要はありません。企業の雰囲気やコンセプトに合ったものを選ぶことが大切です。適切なサイズや配置を意識することで、ロビー全体が調和した表情を持つようになります。
香りによる印象的な空間づくり
香りは、ロビーの印象を左右する重要な要素です。アロマディフューザーを使うと、リラックス感のある空間を作れます。良い香りは記憶に残りやすいため、企業のイメージ醸成にも役立ちます。
柑橘系は清潔感を演出し、ウッディ系は落ち着きや安心感をもたらします。ただし、強い香りは不快になりやすいため、ほのかに香る程度に調整することが重要です。またアレルギーや香りが苦手な人への配慮も欠かせません。無香タイプとの使い分けも検討すると良いでしょう。
ロビーの特性に合わせて香りを選ぶと、空間全体が心地よく整います。来訪者が自然に深呼吸したくなるような香りの演出が理想です。
清潔感の維持
ロビーの清潔感は、企業の信用度に直結します。常に整った空間であることが、来訪者の安心感につながるでしょう。汚れが目立ちにくく、掃除しやすい素材を選ぶと、日々のメンテナンスがスムーズになります。不要なものを置かず、シンプルなレイアウトにすると、すっきりとした印象になります。
消臭や換気、整理整頓のルールを明確にすることも効果的です。タイルカーペットやノンスリップ床材など、素材ごとの特性を理解して選ぶと、清掃動線も作りやすくなります。メンテナンスの頻度は企業規模や来客数によって変わるため、無理のない運用が大切です。
ロビーは多くの人が行き交う場所です。日常的に小さな工夫を積み重ねることで、清潔で心地よい空間を維持できます。
オフィスのロビーに設置するのに推奨される家具・設備

ロビーの印象を決める家具・設備は、空間全体の魅力や使いやすさに大きく影響します。デザイン性と機能性の両立が求められ、来訪者体験や社員の動線にも関わる重要な要素です。以降では、一般的に推奨される家具・設備を具体的に紹介します。
快適なソファやチェア
来訪者が待ち時間を落ち着いて過ごすためには、座り心地の良いソファやチェアの設置が欠かせません。適度な硬さとクッション性がある座面は、長時間でも疲れにくく、背もたれの高さや肘掛けの有無も安心感につながります。
ロビーのデザインに合わせて素材やカラーを選ぶと、空間全体の統一感が生まれます。張地は汚れに強いタイプを選ぶと、日々のメンテナンスがしやすくなります。高価な家具にこだわる必要はなく、機能性・耐久性・デザインのバランスを意識した選定が重要です。
多目的に使えるテーブル
ロビーでは、飲み物やパソコン、書類を置くなど多様な使い方が発生するため、ローテーブルや多目的テーブルが役立ちます。小規模な打ち合わせや立ち話にも使える柔軟性があり、場面に応じて活用することが可能です。
可動式テーブルや軽量タイプを選ぶとレイアウト変更がしやすく、空間運用の幅が広がります。ソファの高さに合わせたテーブルを選ぶと使いやすさが増し、見た目のバランスも整います。大き過ぎるテーブルは動線の妨げになるため、ロビーの広さに合ったサイズを意識することが大切です。
デジタルサイネージや展示スペース
デジタルサイネージは、企業紹介やニュース、サービス内容を視覚的に発信できる有効なツールです。動画やスライド、インタラクティブな表示など、多様な演出が可能で、ロビーの価値を高めます。商品展示ブースを設ければ、企業PRやブランド訴求にもつながるでしょう。
季節やキャンペーンに合わせて内容を入れ替えると、訪れるたびに新鮮さを感じられるロビーを演出できます。展示物の照明や配置にも工夫を加えると、より魅力的に見せられるでしょう。宣伝色が強過ぎると印象を損ねるため、企業らしさを大切にした品位ある発信が求められます。
受付システムの導入
タブレット式の受付システムを導入すると、無人受付が可能になり、来訪者対応がスムーズになります。チェックイン情報が自動で記録され、履歴管理も効率化できるため、総務や受付担当者の負担軽減にもつながります。また不正侵入リスクの軽減にも寄与し、セキュリティ面でも効果があります。
QRコードでのチェックインや事前予約システムとの連携、外国語対応・アクセシビリティ対応など、多様な拡張性も魅力です。特定製品ではなく一般的な仕組みとして紹介することで、どの企業でも導入を検討しやすい視点にまとめます。
まとめ
ロビーは企業の「顔」であり、第一印象や信頼性、ブランド価値に直接影響します。デザイン性だけではなく、機能性やセキュリティなど多角的な視点で計画することが、来訪者にも社員にも快適な空間づくりにつながります。またロビーを整えることで、働きやすさや企業イメージの向上も期待できるでしょう。
移転やリニューアルのタイミングは、ロビー全体を見直す好機です。改善を進めることで企業の魅力や競争力向上にも寄与します。
株式会社ブレインズ・ネットワークが運営する「事務所移転.com」では、物件探しから内装設計、移転計画までをワンストップで支援しています。ロビーやエントランスの設計も含め、企業の移転を総合的にサポートできるため、ぜひお気軽にご相談ください。施工事例やスケジュールの例は、Webサイトからご覧いただけます。
