Web会議ブースの導入ガイド|オフィスに設置するメリットや注意点とは?
働き方改革やリモートワークの普及により、Web会議はオフィス業務の中で日常的な手段となりました。その一方で、会議室が足りない、オープンスペースでの音漏れが気になる、集中しづらい、機密情報の扱いに不安があるといった課題を感じる企業も増えています。
こうした課題への対応策として注目されているのが、Web会議ブースの導入です。既存のオフィスを生かしながら、比較的低コストかつ短期間で会議環境を改善できる点は、オフィス移転や大規模なレイアウト変更と比べても大きなメリットといえるでしょう。
本記事では、Web会議ブースの基本から導入メリット、選び方や注意点までを整理し、オフィス環境改善のヒントを解説します。
目次
Web会議ブースとは?
Web会議ブースとは、オフィス内に設置する個室型、もしくは半個室型のスペースで、Web会議や電話会議、オンライン商談などに利用される設備です。集中ブース、個室ブースなどと呼ばれることもあり、用途や構造によってさまざまなタイプがあります。
主な特徴は、一定の遮音性・吸音性を備えている点と、限られたスペースでも設置しやすいコンパクトさです。換気設備や照明、電源、LAN環境などが整えられているケースも多く、会議に必要な環境を1カ所にまとめられます。
固定の会議室とは異なり、必要なときにすぐ使える点も特徴です。オープンオフィスとの相性が良く、Web会議だけでなく、集中して作業したい場や短時間のソロワークスペースとして活用されることもあります。あくまで一般的な設備として捉え、用途に応じた活用を考えることが大切です。
Web会議ブースの需要が高まる背景
Web会議ブースの需要が高まっている背景には、テレワークやハイブリッドワークの定着があります。対面とオンラインが混在する働き方が一般化したことで、オフィス内でもWeb会議を行う機会が増えました。その結果、従来の会議室だけでは需要に対応しきれず、慢性的な会議室不足が課題となっています。
また、オープンスペースでのWeb会議は、周囲への音漏れや雑音による集中阻害を招きやすく、会議参加者・周囲の社員双方にストレスを与える要因になります。加えて、会話内容や画面の映り込みによる情報セキュリティ面の不安も無視できません。
こうした状況は一時的な流行ではなく、今後も続くと考えられます。少人数会議と会議室規模のミスマッチ、総務部門の運用負担増加といった課題を背景に、Web会議ブースはオフィス環境を補完する現実的な選択肢として注目されています。
Web会議ブースをオフィスに導入するメリット
Web会議ブースの導入は、単なる設備の追加にとどまらず、オフィス環境全体の質を高める施策の一つです。スペース活用の改善や会議の快適性向上、情報管理への配慮など、複数の観点で効果が期待できます。ここでは、Web会議ブースがもたらす主なメリットを整理し、具体的に解説します。
スペース不足が解決する
Web会議ブースを導入することで、少人数のWeb会議やオンライン商談に適した専用スペースを確保できます。これにより、会議室の予約が取りづらい状況や、短時間の打ち合わせで大会議室を使用してしまう非効率な運用を見直しやすくなります。
コンパクトなブースは限られたオフィス空間にも設置しやすく、既存レイアウトを大きく変えずに導入できる点も特徴です。会議室は対面会議や複数人での打ち合わせに、Web会議ブースはリモート会議用に使い分けることで、スペース全体の役割が明確になります。
フリーアドレス環境とも相性が良く、必要なときに使える小規模スペースを増やすことで、オフィス全体の稼働効率を高めるきっかけになります。
快適な会議の環境が整う
防音・遮音性を備えたWeb会議ブースを利用することで、周囲への音漏れを気にせず発言しやすい環境が整います。同時に、周囲の雑音が会議相手に伝わりにくくなるため、コミュニケーションの質向上にもつながります。
オープンスペースでのWeb会議では、声量を抑えたり周囲に配慮したりと、無意識のストレスがかかりがちです。ブースを活用すればそうした気遣いが減り、会議に集中しやすくなります。
結果として、会議参加者だけでなく、周囲で業務を行う社員にとっても集中しやすい環境が保たれ、オフィス全体の業務効率向上に寄与します。
情報漏えいのリスクが減る
Web会議ブースは、遮音性によって会話内容が外部に漏れにくい点から、情報セキュリティ対策としても有効です。人事や経営に関わる打ち合わせ、機密性の高い商談など、内容に配慮が必要なWeb会議を行う場として活用できます。
オープンオフィスでは、第三者の聞き耳や画面の映り込みといったリスクが高まりやすく、特にフリーアドレス制や来客動線が交差する環境では注意が必要です。ブースを設けることで、こうしたリスクを抑えやすくなります。
過度な対策を講じるのではなく、オフィス環境に合った形で情報管理への配慮を示すことは、企業としての信頼性向上にもつながります。
ブランディング効果がある
Web会議ブースは、オフィスレイアウト全体の最適化を進める上でも役立ちます。利用実態に合わせて会議室とブースの構成を見直すことで、無駄のない空間づくりが可能になります。
また、デザイン性に配慮したブースを取り入れることで、空間全体の印象が整い、来客時や採用活動においても好印象を与えやすくなります。エントランスや応接エリア付近に配置すれば、働きやすさを重視する企業姿勢を視覚的に伝えることもできるでしょう。
業務効率だけでなく、オフィスの在り方そのものを見直す視点からも、Web会議ブースは価値ある選択肢といえます。
Web会議ブース選びの5つのポイント

Web会議ブースは、価格や見た目だけで選べる設備ではありません。用途や性能、設置環境など、いくつかの視点を整理した上で選定することが重要です。判断を誤ると「使われない」「不満が出る」といった事態にもつながりかねません。
ここでは、導入後のミスマッチを防ぐために押さえておきたい5つのポイントを整理します。
目的に合わせて選ぶ
Web会議ブース選びの出発点は「何のために使うのか」を明確にすることです。Web会議の頻度や重要度、日常的にどの程度使われるのかを整理することで、必要な性能や仕様が見えてきます。
併せて、想定される利用人数も重要な判断材料です。1人でのオンライン会議や電話対応が中心なのか、複数人での打ち合わせも想定するのかによって、適したブースは異なります。
また、Web会議以外にも集中作業や簡易的な作業スペースとして活用できるかを考えておくと、利用シーンが広がります。用途を整理した上で選ぶことが、満足度の高い導入につながります。
防音性・遮音性を確認する
防音性・遮音性は、Web会議ブースを選ぶ上で特に関心の高いポイントです。ただし、必要なレベルはオフィス環境や利用内容によって異なります。周囲の騒音が多い環境や、機密性の高い情報を扱う場合には、より遮音性の高い仕様が求められるでしょう。
一般的に、四方が囲われたクローズ型は遮音性に優れていますが、セミクローズ型やオープン型でも、設置場所や利用時間帯によっては十分に機能するケースもあります。
重要なのは「完全防音」を期待するのではなく、どの程度の音対策が必要かを現実的に見極めることです。設置場所や利用頻度によって体感は変わるため、オフィス全体の状況を踏まえて検討することが大切です。
適切なサイズを選ぶ
Web会議ブースのサイズ選びは、快適性とオフィス全体の使いやすさに直結します。使用人数や用途に対して小さ過ぎると圧迫感が生じ、長時間の利用が難しくなります。
一方で、大き過ぎるブースはスペースを圧迫し、動線やレイアウトに影響を与える可能性があります。オフィス全体の配置や通路幅とのバランスを考慮し、無理のないサイズを選ぶことが重要です。また、将来的な人員増減や働き方の変化を見据えておくと、長期的に使いやすい環境を整えやすくなります。
単に広さだけで判断せず、オフィス全体の空間効率を意識しながら選定する視点が欠かせません。
デザインと素材にこだわる
Web会議ブースは、オフィス空間の一部として設置されるため、全体のデザインとの調和も重要な要素です。周囲の内装や家具と大きく印象が異なると、空間に違和感が生じることがあります。
素材にはスチール、木、フェルトなどさまざまな種類があり、それぞれ耐久性や吸音性、メンテナンス性に特徴があります。見た目だけでなく、日常的な清掃のしやすさや長期利用を前提とした耐久性も考慮したいポイントです。
デザインや素材の選び方は、働きやすさや企業イメージにも影響します。過度に装飾性を重視するのではなく、機能性とのバランスを意識して選ぶことが大切です。
換気・照明設備を確認する
Web会議ブースは、一定時間内部にこもって使用する設備のため、換気や照明といった環境面の配慮が欠かせません。換気性能が十分でないと、空気のこもりや不快感につながり、集中力の低下を招くことがあります。
照明についても、明るさや光の質によって目の疲労や作業効率に影響が出る場合があります。長時間の利用を想定するのであれば、自然な明るさが確保できるかを確認しておくと安心です。
特に季節による体感差は見落とされがちです。夏場や冬場の使用感も想定しながら、快適に使い続けられる設備かどうかを検討しましょう。
Web会議ブース導入時の注意点

Web会議ブースは多くのメリットがある一方で、導入時には法令面や運用面で確認しておくべきポイントがあります。事前の検討が不十分なまま設置すると、後から想定外の制限や調整が必要になるケースもあります。
ここでは、導入前に押さえておきたい注意点を整理し、後続の見出しで具体的に見ていきましょう。
建築基準法と消防法への対応
Web会議ブースを導入する際は、建築基準法や消防法との関係を事前に確認することが重要です。特に、天井や壁で囲われたクローズ型の個室ブースは、条件によって消防法の対象となる可能性があります。
場合によっては「居室」として扱われ、スプリンクラーや自動火災報知設備などの消防設備の設置が求められるケースもあります。そのため、設置形態や仕様によって必要な対応が変わる点に注意が必要です。
一方で、可動式のクローズ型ブースについては、床面積が3㎡以下であること、不燃材料が使用されていること、外部から火災を目視できる構造であること、下方放出型の自動消火装置が設置されていることなど、一定の要件を満たす場合に特例が適用されることもあります。
ただし、これらの条件を満たせば必ず免除されるわけではなく、解釈は自治体や建物の条件によって異なります。導入前にビルの管理会社や所管の消防署へ確認しておくことが欠かせません。なお、セミクローズ型やオープン型は、一般的に対象外となるケースが多いとされています。
設置場所と利用ルールの策定
Web会議ブースは、設置場所と利用ルールを含めて初めて効果を発揮します。設置場所としては、人の出入りが少なく、落ち着いて利用できるエリアが適しています。オフィスの出入口付近や通路沿いは、人の往来や視線が気になり、集中を妨げる可能性があるのです。
また、Web会議ブースは共用スペースであることが前提となるため、利用ルールの整備も重要です。予約方法や1回当たりの利用時間を定めておくことで、特定の人に利用が偏るのを防ぎやすくなります。
併せて、飲食の可否や私語・通話の扱い、用途別にブースを使い分けるかどうかといった点も整理しておくと、運用がスムーズになります。
ルールは必要ですが、厳しすぎると守られなくなり、意味を失ってしまうため、現場で守りやすい内容にすることが大切です。暗黙の了解に頼らず、明文化して周知することで、トラブルを未然に防ぎやすくなります。
【事務所移転.com】の会議ブースのあるオフィス施工事例
ここでは、これまで解説してきたWeb会議ブースの考え方や効果を、事務所移転.comが手掛けた実際の施工事例を通して紹介します。理論だけでなく、具体的な空間づくりのイメージをつかんでみてください。
【江東区(東京都)】レイ変工事(クロス貼)の施工事例

東京都江東区のオフィスビルにて、既存オフィスを生かしたレイアウト変更(レイ変)を行った施工事例です。柱まわりの内装を整えることで、会議や作業スペースの印象を刷新し、使い勝手の向上を図りました。
大規模な移転を行わず、内装改修を中心に空間を見直すことで、業務効率やオフィス全体の印象改善につながっています。
【東京都港区】防音ブース設置の施工事例

東京都港区にある映像制作会社のオフィスで。大掛かりな間仕切り工事を行わずに、遮音性に優れたワークブースを導入することで、限られたスペースの中に集中作業とWeb会議のための個室環境を構築しました。
まとめ
Web会議ブースは、テレワークやハイブリッドワークが定着した現代のオフィスにおいて、会議環境や働きやすさを支える重要な要素の一つです。会議室不足や音の問題、情報管理といった課題に対して、既存オフィスを生かしながら改善を図れる点は大きな特長といえます。
一方で、導入に当たっては用途や性能の見極め、法令面の確認、運用ルールの整備など、事前に検討すべきポイントも少なくありません。自社の働き方やオフィス環境に合った形で取り入れることが、満足度の高い導入につながります。
株式会社ブレインズ・ネットワークが運営する「事務所移転.com」では、オフィス移転やレイアウト変更、内装工事までを一貫してサポートしています。施工事例や進行スケジュールの詳細はWebサイトでご紹介していますので、オフィス環境の見直しを検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
