オフィスのユニバーサルデザインを意識して行おう! 導入メリットとデメリットを紹介
コロナ渦によって、オフィスに出勤して勤務するスタイルから、テレワークへの完全移行や従来の出勤して勤務するスタイルとテレワークの併用など勤務形態にも変化が訪れました。
この変化によって、オフィスのレイアウトのあり方を変える企業も増えてきました。
その中の1つがオフィスにユニバーサルデザインを導入する動きです。
この記事では、ユニバーサルデザインとはどういったものでバリアフリーとは何が違うのか、オフィスにユニバーサルデザインを導入するメリットとデメリットの紹介をします。
目次
ユニバーサルデザインとは?
ユニバーサルデザインとは、「年齢や状況、能力に関わらず、できる限り多くの人が使いやすいような建物や環境、製品などのデザインを行う」といった考え方で、アメリカのロナルド・メイス博士が中心となって1980年代に提唱されました。
ユニバーサルデザインが提唱され出したのは、1960年代にアメリカで障害を持つ人々が増加したことが背景にあります。
このような方々が、様々な分野で差別的な扱いを受けることのなく、様々な場面で発生する不便さをできる限り感じることのないような社会にするために、バリアフリーの概念に代わる考え方として提唱されました。
日本でも、1995年ごろからユニバーサルデザインの概念が広まるようになり、徐々に多くの企業にも取り入れられはじめました。
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ユニバーサルデザインとバリアフリーとの違い
バリアフリーの概念に代わる考え方としてユニバーサルデザインが提唱されましたが、では、ユニバーサルデザインとバリアフリーではどういった点が違うのでしょうか。
まず、バリアフリーとは、「障害者や高齢者が社会生活を営む上で、障害となる要素を取り除く」といった考え方をした概念です。
そのため、バリアフリーの対象者は障害者や高齢者など一部の人たちです。
一方でユニバーサルデザインとは、「年齢や状況、能力に関わらず、できる限り多くの人が使いやすいような建物や環境、製品などのデザインを行う」といった考え方のため、利用する全ての人が使いやすいように、建物や環境、製品などを”デザインする段階”で使いやすいかどうかの検討を行います。
● ユニバーサルデザイン ・・・デザインの段階で全ての人が使いやすいかどうかを考える
● バリアフリー ・・・障害者や高齢者のために、障害と感じる要素を今の環境から取り除く
ユニバーサルデザインとバリアフリーの違いは、このように対象と目的がそれぞれ異なるということです。
オフィスでユニバーサルデザインを導入するメリット
業務を行うオフィスでユニバーサルデザインを導入するメリットは、どのようなものがあるでしょうか。
備品を管理しやすい
オフィスにユニバーサルデザインを導入する場合、利用する椅子やデスクなどの備品類はデザインの統一された同一のものを利用することになります。
そのため、備品の過不足がわかりやすくなるため、管理を楽に行うことができます。また、業務で利用する備品や私物といったものをキャスター付きのワゴンやキャビネットなどにまとめて保管するようにしておけば、人員移動の際にそれのみを移動することで完了することができるため、スムーズな人員移動が可能です。
レイアウト変更が不要
ユニバーサルデザインを取り入れる「ユニバーサルレイアウト」では、デスクの数を均等に配置し、役職や業務の特性などにとらわれず使用します。また、配置するデスクも部署ごとに配置する訳ではないため、日本のオフィスの主流であった「島型対向式レイアウト」のように人数によりデスク数が変わることもありません。
そのため、人員の増減やチームの変更が行われたとしても、レイアウトの変更を行う必要がありません。
オフィスでユニバーサルデザインを導入するデメリット
では逆に、業務を行うオフィスでユニバーサルデザインを導入するデメリットはどういったものがあるでしょうか。
初期費用がかかる
ユニバーサルデザインを取り入れた「ユニバーサルレイアウト」では、利用するすべての人が同一のイスやデスクなどの備品を利用することになります。
そのため、今までのレイアウトから変更する際には、統一された備品類を購入する必要があるため、それなりに初期費用がかかってしまいます。
老朽化してしまう
オフィスにユニバーサルデザインを新たに取り入れる場合、使用する備品は同時期に購入することになります。
もちろん、使用頻度や使い方によっても多少は異なりますが、同一の製品を利用する場合、消耗の程度もだいたい同じになるため、交換の時期も同じようなタイミングとなります。
そのため、まとまった金額の備品の買い替え費用が発生してしまう可能性があります。
まとめ
今回は、ユニバーサルデザインとはどういったものでバリアフリーと何が違うのか、オフィスにおけるユニバーサルデザインの導入に関して紹介しました。
従来の働き方から時勢に則した働き方へと変化するにつれ、働きやすいオフィス環境というものも同時に変化しています。