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オフィスでできる感染対策とは?新型コロナに関する研究結果や感染事例などを基に、オフィスでできる感染対策、予防グッズも紹介

新型コロナウイルスに関する研究結果や感染事例などを基に、オフィスに取り入れられる具体的な感染対策や、予防グッズの効果的な利用方法を紹介します。

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オフィスで感染対策するには?

日本経済団体連合会「オフィスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」4訂版(2022年6月公開)及び日本産業衛生学会「職域のための新型コロナウイルス感染症対策ガイド」第6版(2022年12月公開)などを基に、オフィスでの感染対策のポイントを4つ紹介します。

■参考サイト
経団連:オフィスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン (2022-06-17)
新型コロナウイルス感染症 | 公益社団法人日本産業衛生学会(JSOH)

従業員の距離を保つ

従業員の距離を保つことで、飛沫感染を防止することができます。会話をするときにはマスクを着用するように周知徹底する必要がありますが、人との距離を十分に保つ(目安は2m以上)ことができる場合には、原則としてマスクを外しても問題ありません。
目安として、オフィス内で仕切りがない状態で対面する場合には1m~2mの距離を保つようにすることが、マスク着用時でも大声や長時間の会話は控えることが推奨されています。休憩や飲食、喫煙時においても、顔の正面から1m~2mの距離を確保するよう心がけます。また、食事や着替えなどでマスクを着用していない時には、会話を控えるようにします。
なお、正しいマスクの着用方法については、厚生労働省の動画で紹介されています。

換気をする

適切な換気を行うことで、集団感染のリスクを減らすことができます。
オフィス全体や個別の作業スペースについては、こまめな換気(可能であれば常時換気)することが推奨されています。ただし、機械換気で十分な換気量(1人あたり毎時30㎥)が確保できている場合、窓の開放は不要です。また、CO2モニター(室内の二酸化炭素濃度が1,000ppm以下かどうか確認する)などを活用する方法もあります。加えて、相対湿度を40%以上に維持するよう留意します(乾燥により飛沫が長い間浮遊することで、感染するリスクが高まるという報告があるため)。

机などの身の回りの衛生を保つ

身の回りを清潔にしておくことで、感染予防につながります。ただし、新型コロナウイルスの場合、接触感染のリスクは相対的に低いとされています(詳細は後述)。一方で、ウイルスが付着した手で目や鼻などの粘膜に触れた場合は感染するリスクが高いため、定期的な手洗いや手指消毒を徹底します。手指衛生の場合、基本は水道水と石けんですが、それらが利用できない状況においてはアルコール消毒液の使用が有効とされています。机などを消毒する必要がある場合(そこで食事をとるなど)は、濃度60%以上のアルコール消毒液を使用して拭き取る方法が基本です。

共用エリアの非接触を心がける

共有エリアの非接触を心がけることで、接触感染のリスクを低下させることができます。
ただし、新型コロナウイルスの主な感染経路は飛沫感染やエアロゾル感染であることが明らかになってきています。CDC(Centers for Disease Control and Prevention:アメリカの疾病管理予防センター)によると、感染者が過去24時間以内にいた場合などを除き、物の表面から感染するリスクは低いとされています。非接触にすることが難しい場合は、入退室前後の手指消毒などを徹底すると良いでしょう。

■参考サイト
表面からの感染リスク低い、執拗な消毒はむしろ有害 米CDC

オフィスで感染した会社の特徴

オフィスで感染した会社の特徴について、厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に係る職場における集団感染事例」(2020年8月発表)を基にまとめました。

● 執務室内の半数がマスクをしていない
● 他の人と密接する席配置
● 同時に休憩をとることで、休憩スペースや更衣室、食堂に人が密集
● 換気が不十分
● 共同で利用する物品や機器、ロッカーなどを消毒していない
● 飛沫感染防止措置をとらず、対面で会話をしながら食事をしていた

ただし、これらの情報は第2波の期間に発表されたものです。飛沫感染やエアロゾル感染が主な感染経路であることや、感染予防対策が普及したことから、基本的に接触感染のリスクは低いと考えられています。感染対策の基本は、3密(密接、密集、密閉)の回避と適切な換気、マスクの着用、手洗いの徹底です。なお、新型コロナウイルスは2023年5月8日に、季節性インフルエンザと同じ5類感染症に移行されます。

■参考サイト
職場における新型コロナウイルス感染症への感染予防、健康管理の強化について、経済団体などに協力を依頼しました|厚生労働省

感染対策の予防グッズ

感染対策予防グッズを3つ紹介します。なお、東京都内の対象事業者の方であれば、以下の消耗品や備品の購入に補助金制度が利用できる可能性があります(受付期間は令和5年3月末まで)。詳細は東京都中小企業振興公社の中小企業等による感染症対策助成事業をご覧ください。

飛沫防止パーテーション

飛沫防止パーテーションは、直接飛沫防止対策として使用されています。食事など、マスク着用が難しい場面での使用が想定されます。ただし、飛沫防止パーテーションの効果を疑問視する声もあり、パーテーションによって感染リスクが高まったという海外の研究結果もあります。パーテーションを使用する場合は、空気の流れに対して平行に配置する、空気のよどみを作らないようにするなど、空気の流れを阻害しないように注意して使用します。詳しい留意点については、新型コロナウイルス感染症対策分科会の「感染拡大防止のための効果的な換気について」(2023年7月公開)で紹介されています。

■参考サイト
コロナ対策のアクリル板は有害無益?
感染拡大防止のための効果的な換気 について

空気清浄機

HEPAフィルター(0.3μmの試験粒子を99.97%以上捕集可能なフィルター)付き空気清浄機は、適正に使用することでエアロゾル感染のリスクを低下させる効果があることが研究によって証明されました。ただし、空気清浄機によっては効果が明らかでないものもあるため、注意が必要です。また、空気中に消毒剤を噴霧させる製品は目や皮膚への付着などによって健康を害する恐れがあることなどから、厚生労働省では推奨されていません。

■参考サイト
HEPAフィルターによる エアロゾル中の感染性新型コロナウイルスの除去効果
新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について|厚生労働省

アルコール除菌

アルコール除菌は、モノ(一部劣化や変色などの恐れあり)や手指の除菌に使用できます。例えば、石けんで手洗いできない場合や、食事をとるテーブルを拭くときなどに有効です。手指の除菌に使用する場合は、医薬品や医薬部外品の表示があるものを選びます。使用方法や有効成分、濃度、使用期限などを確認してから使用してください。
除菌と消毒とは意味が異なり、消毒が菌やウイルスを無毒化するのに対し、除菌は菌やウイルスの数を減らすことを表しています。なお、石けんで手洗いした場合は併用不要です。

■参考サイト
新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について|厚生労働省

まとめ

オフィスの感染対策は、3密(密接、密集、密閉)の回避と適切な換気、マスクの着用、手洗いの徹底が基本です。根拠のある最新の情報を確認しながら周知徹底を行い、状況に応じて柔軟に対応していく必要があるといえます。

事務所移転コラム編集部
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